作成日:2016年5月13日 更新日:2018年7月26日
どんな投資でも損する可能性=リスクがあるから利益=リターンが見込めるので、リスクを全く無くすことはできません。リスクがゼロということは、儲かる可能性もゼロということなのです。株式投資の初心者にとっては、なるべくリスクを小さくして大きな損を避けることが大切です。
今回は、株の初心者向け株式投資の始め方として「株式投資のリスクを下げる方法」について解説します。取り返しのつかない失敗を避けて、上手にリスクを管理しながら株式投資を行いましょう。
株のリスクを下げる5つの方法のまとめ
今回の記事でご紹介する株のリスクを下げる方法は、大きく5通りあります。
- 中長期投資
- 分散投資
- 積立投資
- インデックス運用
- 投資コストを下げる
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
株のリスクを下げる方法① 中長期投資
株のリスクを下げる方法の1つ目は、中長期投資です。
株式市場では、沢山の投資家がそれぞれの思惑で株を買ったり売ったりして株価が変動していきます。こうした投資家には、機関投資家と呼ばれる何億円何十億円もの大きなお金を組織で動かす投資家もいれば、数万円程度から投資する私たちのような個人投資家もいます。
機関投資家は株式投資のプロですから、膨大な情報やデータをもとにスーパーコンピュータなどで分析し、株価の推移を予測して投資を行っています。こと株価の予測という点では、私たち個人投資家ではなかなか勝ち目はありません。
しかし、個人投資家がプロの機関投資家よりも有利な点が1つだけあります。それは、機関投資家は短期間で成果を求められるので短期的に株を売買して利益を出さなければならないのに対して、個人投資家は「時間」をかけた中長期で投資成果を見ることができるのです。
なぜ中長期で投資成果を見ることがメリットなのでしょうか。それは、中長期で投資することで株価の変動が小さくなりリスクが下がるからです。下の図を見てください。2002年から2015年の日経平均株価(年次)の動きを表しています。
短期的には株価が大きく変動することはよくあるのですが、中長期投資により株価の変動幅が小さくなることが分かります。
株のリスクを下げる方法② 分散投資
株のリスクを下げる方法の2つ目は、分散投資です。
分散投資とは、1つの銘柄に集中して投資を行わず複数の銘柄に資金を分散して投資を行うことです。100万円の投資資金があって1つの銘柄に全額投資したとすると、万が一その会社が倒産したら全額損してしまいます。しかし、50万円ずつ2つの銘柄に投資していれば、どちらかの会社が倒産したとしても50万円の損失で済むのです。
株式投資以外の金融商品も選択できるのであれば、債券・不動産・投資信託・外貨など複数の投資対象に分散投資できれば、さらにリスクが小さくなります。下のリンクを見て下さい。これが分散投資がリスクを下げる効果です。
卵を1つのかごに入れる(集中投資)の危険性と、卵を別々のかごに入れる(分散投資)とリスクを下げることが分かりますね。
株のリスクを下げる方法③ 積立投資
株のリスクを下げる方法の3つ目は、積立投資です。
積立投資とは、一度にまとまったお金で株式投資を行うのではなく、毎月定期的にお金を積み立てるように株式投資をしていきましょうということです。積立投資には分散投資に似た「買う時間を分散させる」という効果がありこれがリスクを下げることにつながります。
積立投資のポイントは、毎月一定額(同じ金額)で株を購入することです。これを「ドルコスト平均法」といい、毎月一定数(同じ株数)の株を購入するよりもリスクを下げる効果があります。
購入方法 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
合計 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
同じ株数 |
株数 |
3株 |
3株 |
3株 |
3株 |
3株 |
3株 |
18株 |
金額 |
15,000円 |
45,000円 |
30,000円 |
45,000円 |
15,000円 |
30,000円 |
180,000円 |
|
同じ金額 |
株数 |
6株 |
2株 |
3株 |
2株 |
6株 |
3株 |
22株 |
金額 |
30,000円 |
30,000円 |
30,000円 |
30,000円 |
30,000円 |
30,000円 |
180,000円 |
毎月一定額(同じ金額)で株を買っていくと、毎月一定数(同じ株数)を買っていくよりも、買える株数が増え平均購入単価が引き下げられることがわかります。
株のリスクを下げる方法➃ インデックス運用
株のリスクを下げる方法の4つ目は、インデックス運用です。
インデックス運用とは、日経平均株価や東証株価指数などと同じリターンを目標とする投資手法です。例えば日経平均株価が8%上がっている状態なら、自分も様々な銘柄に投資して、同じように8%のリターンを上げることを目指していきます。
なぜインデックス運用はリスクを下げるのでしょうか。それは、プロの投資家であっても日経平均株価や東証株価指数などの市場平均を上回ったリターンを出すことは難しく、かなりリスクが高い投資を行わなくてはならないのが事実なのです。
経済評論家の山崎元氏もインデックス運用の優位性を解説しています(アクティブ運用とは市場平均を超えたリターンを求める投資手法)。
運用業界にとって不都合だが、強力な事実がある。(事実1)アクティブ運用の平均はインデックス運用に劣る、(事実2)優れたアクティブ運用を「事前に」見分けることはできない、の2つだ。
山崎元「ホンネの投資教室」 インデックス運用が最強である理由
下のリンクはインデックス運用とアクティブ運用の運用成績を比較したものです。
マネックス・ユニバーシティ 失敗しない、投資の方法より
このように、投資のプロでさえ市場平均を上回る運用は難しいので、個人投資家はインデックス運用でリスクを下げる方が良いのです。
株のリスクを下げる方法⑤ 投資コストを下げる
株のリスクを下げる方法の5つ目は、投資コストを下げることです。
投資コストとは株式投資にかかる売買手数料などの様々なコストのことです。こうしたコストは、株式投資で得られる利益を減らしてしまうものです。
そのため、なるべく売買手数料が安い証券会社を選ぶなどの工夫をして投資のコストを下げてリターンを少しでも上げることで、株式投資のリスクを下げることができます。
下の表は、主要なネット証券会社の売買手数料を一覧にしたものです。投資方法や投資金額によって、得になる証券会社は異なりますので注意しましょう。(2016年11月30日現在)
主要なネット証券会社の売買手数料一覧(現物取引)
売買金額 | SBI証券 | 岡三オンライン証券 | カブドットコム証券 | GMOクリック証券 | 松井証券 | マネックス証券 | ライブスター証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10万円 |
150円 |
106円 |
194円 |
105円 |
0円 |
108円 |
86円 |
150円 |
20万円 |
199円 |
216円 |
291円 |
105円 |
324円 |
194円 |
104円 |
199円 |
30万円 |
293円 |
378円 |
388円 |
260円 |
324円 |
270円 |
194円 |
368円 |
50万円 |
293円 |
378円 |
583円 |
260円 |
540円 |
486円 |
194円 |
368円 |
100万円 |
525円 |
648円 |
1,069円 |
470円 |
1,080円 |
1,080円 |
367円 |
657円 |
200万円 |
994円 |
1,620円 |
2,041円 |
900円 |
2,160円 |
2,160円 |
648円 |
1,244円 |
300万円 |
994円 |
1,620円 |
3,013円 |
900円 |
3,240円 |
3,240円 |
648円 |
1,244円 |
500万円 |
994円 |
2,268円 |
3,690円 |
900円 |
5,400円 |
5,400円 |
864円 |
1,244円 |
1,000万円 | 994円 | 3,240円 | 3,690円 | 900円 | 10,800円 | 10,800円 | 864円 | 1,244円 |
現物取引の手数料は、https://www.live-sec.co.jp/がもっとも安いネット証券と言えます。10万円未満の松井証券を除くと、全ての売買金額において他社を大きく引き離しています。その他、https://www.click-sec.com/・https://www.sbisec.co.jp/ETGate・楽天証券が比較的手数料の安いネット証券会社です。
主要なネット証券会社の売買手数料一覧(信用取引)
売買金額 | SBI証券 | 岡三オンライン証券 | カブドットコム証券 | GMOクリック証券 | 松井証券 | マネックス証券 | ライブスター証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10万円 |
154円 |
106円 |
106円 |
100円 |
0円 |
108円 |
86円 |
270円 |
20万円 |
154円 |
162円 |
193円 |
100円 |
324円 |
194円 |
86円 |
270円 |
30万円 |
206円 |
324円 |
268円 |
100円 |
324円 |
270円 |
86円 |
270円 |
50万円 |
206円 |
324円 |
484円 |
100円 |
540円 |
486円 |
86円 |
486円 |
100万円 |
388円 |
540円 |
820円 |
100円 |
1,080円 |
1,080円 |
86円 |
486円 |
200万円 |
388円 |
1,080円 |
1,015円 |
100円 |
2,160円 |
2,160円 |
86円 |
486円 |
300万円 |
388円 |
1,080円 |
1,188円 |
100円 |
3,240円 |
3,240円 |
86円 |
486円 |
500万円 |
388円 |
1,296円 |
1,188円 |
100円 |
5,400円 |
5,400円 |
0円 |
486円 |
1,000万円 |
388円 |
1,296円 |
1,296円 |
0円 |
10,800円 |
10,800円 |
0円 |
486円 |
信用取引の手数料についても、https://www.sbisec.co.jp/ETGateがもっとも安いネット証券と言えます。10万円未満の松井証券と1,000万円以上のhttps://www.click-sec.com/を除くと、全ての売買金額において他社を大きく引き離しています。その他、https://www.click-sec.com/・https://www.click-sec.com/・楽天証券が比較的手数料の安いネット証券会社です。
なお、ネット証券の売買手数料については別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
株の初心者におすすめの証券会社
https://www.sbisec.co.jp/ETGate
初めて株式投資を始める場合には、証券会社で口座を開く必要があります。沢山の証券会社があるので、どこで口座を開こうと迷われる方が多いと思いますが、株の初心者にはネット証券のhttps://www.sbisec.co.jp/ETGateがおすすめです。 口座を開設する証券会社を選ぶ際は以下の5つのポイントを検討することが大切ですが、https://www.sbisec.co.jp/ETGateは全ての点で業界トップクラスなためです。
- 取引手数料
株の売買にかかる手数料は、各証券会社によって異なりますが、SBI証券の手数料は、業界屈指の格安手数料となっています。 - 取扱商品
SBI証券は国内株式・海外株式・投資信託・債券・FXなど取り扱っている金融商品が豊富なため、投資の幅が広がります。 - 取引ツール
株式投資は単に株価の推移だけでなくチャートや板など様々な側面からの分析が必要になります。SBI証券ではこうした分析ツールも充実しています。 - 情報の質と量
株式投資では経済や政治の情報を早く正しく得ることが重要です。SBI証券なら多くの種類のニュースについて高い質で豊富な情報が入手できます。 - スマホ対応
SBI証券ならもちろんスマホ対応しています。空いた時間や移動中にも株式投資ができるのは大変便利ですね。
SBI証券についての詳細確認や申し込みは、下のリンクから行えます。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate
SBI証券で口座開設するともらえるお得なキャンペーン
SBI証券では、新規口座開設をされた方にお得なキャンペーンを用意しています。現在は、以下のキャンペーンが用意されています(それぞれに締め切りがありますのでご注意ください)。
キャンペーンの条件
- 証券総合口座開設の申し込み
- 必要書類を返送(WEBアップロードなら書類の返送は不要)
特典の内容
- 国内株式、投資信託の取引
→ 最大20,000円獲得のチャンス - NISA口座開設に必要な住民票取得代行
→ 0円 - FX口座開設&指定数量の取引
→ 最大80,000円
トータル100,000円のキャンペーンです。なお、キャンペーンの内容は以下から詳細を確認できます。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate
また、キャンペーン期間終了後は、キャンペーンの内容が変更になったり中止になったりすることがありますのでご注意ください。
なお、証券会社を選ぶポイントについては、別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
株の始め方:証券会社の選び方① 証券会社を選ぶ5つのポイント
個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)
https://site0.sbisec.co.jp/marble/dc/top.do
また、SBI証券では、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)を取り扱っています。
「個人型確定拠出年金」とは、これまでの将来の年金額が確定していた「確定給付年金」と異なり、加入者自身が資産を運用するため、運用状況で将来の年金支給額が異なるタイプの年金になります。
もちろん、その分リスクがあるのですが、「個人型確定拠出年金」により受けられるメリットが、いくつかあります。
- 積み立てた掛金全額が所得控除の対象となる
- 確定拠出年金での運用で得た利益は非課税
- 60歳以降に受け取る資産を老齢給付金も控除対象
SBI証券なら、10年を超える運用実績があり、運営管理手数料も無料など、様々なメリットがあります。まずは資料請求から検討してみるといいでしょう。
https://site0.sbisec.co.jp/marble/dc/top.do
まとめ
今回は、株の初心者向け株式投資の始め方として「株式投資のリスクを下げる方法」について解説しています。
- 株のリスクを下げる方法① 中長期投資
- 株のリスクを下げる方法② 分散投資
- 株のリスクを下げる方法③ 積立投資
- 株のリスクを下げる方法➃ インデックス運用
- 株のリスクを下げる方法⑤ 投資コストを下げる
についてまとめています。投資においては、リスクが小さければそれだけリターンも小さくなるのが一般的ですが、株式投資の初心者はできるだけリスクを小さくすることが大切です。
株の初心者向け株式投資の始め方 前後の記事と記事一覧
みんなの教科書では、株の初心者向け「株式投資の始め方」を「株を始める前の心構え」から「株式投資の税金の払い方」まで、ひとつひとつ解説しています。初めて株式投資を始める方でも記事を順番に読めば、株についての基礎知識を身につけることができます。あわせてお読みください。
- 株の初心者向け株式投資の始め方① 株を始める前の3つの心構え
- 株の初心者向け株式投資の始め方② 目的・目標金額・ルールを決める
- 株の初心者向け株式投資の始め方③ 投資のスタイルとルールを決める
- 株の初心者向け株式投資の始め方➃ 株とは?株の仕組みを解説
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑤ 株式市場・証券取引所と取引時間
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑥ 証券会社の役割・種類と特徴
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑦ 個人投資家・機関投資家・外国人投資家
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑧ 株価の決まり方・株の売買の仕組み
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑨ 株式投資で得られる4つの利益
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑩ 3つの株の失敗・損するリスク
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑪ 株のリスクとリターンを解説
- 株の初心者向け株式投資の始め方⑫ 株のリスクを下げる5つの方法(今回の記事)
また、株と株式投資に関する全ての記事をテーマ別に一覧としてまとめています。あわせてお読みください。