PERとは?意味や平均・計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方

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作成日:2016年6月10日 更新日:2018年7月26日

多くの人が今後成長していくと思う会社の株は買われて株価は上がっていきますが、株式がどれだけ投資家の期待を集めて買われているかを表す指標がPERです。

今回は、株の初心者向け銘柄の選び方として「PERとは?意味や平均・計算式や計算方法」について解説します。PERは多くの投資家が株式売買の意思決定に使う指標です。その意味や平均を知り、自分の株式投資に活かしていきましょう。

 

PERとは? 株の始め方・銘柄の選び方

PERとは「Price Earnings Ratio」の略で日本語に訳すと「株価収益率」になります。「ピーイーアール または パー」と呼ばれます。ファンダメンタルズ分析の指標としては最も投資家に見られている指標で、その株式に対する投資家の期待や株価の割安さを示すものです。

投資家にとって、株式投資による儲け=リターンは大きく株価の値上がりと配当金の2つがあります。このうち配当金は、会社が事業で稼いだ利益を原資として出されるものです。会社が毎年稼いだ利益(の一部)が投資家の取り分になるため、「その年に稼いだ利益に対してどれくらい株が買われているか」という指標が、株が割高か割安かを示すことになるのです。

PERが高ければ高いほど利益の何倍も何十倍も株が買われている=そ株に対する期待が高いということ=株価が割高ということで、PERが低ければ低いほどあまり株が買われていない=その株に対する期待が低い=株価が割安ということになります。

なお、株式投資で投資家が得られる利益については、別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

株の初心者向け株式投資の始め方⑨ 株式投資で得られる4つの利益

PERの計算式・計算方法 株の始め方・銘柄の選び方

PERは以下の計算式・計算方法で導き出せます。

PER(倍) = 時価総額 ÷ 純利益  または PER(倍) = 株価 ÷ 1株あたり純利益

ヤフーファイナンスでPERを知る

各銘柄のPERはヤフーファイナンスに表示されます(ヤフーファイナンス-各銘柄のページ-詳細情報の参考指標)。

自分の気になる銘柄のPERがどれくらいかチェックしてみましょう。

有価証券報告書で年度別のPERを確認する

上場企業であれば企業の有価証券報告書を入手して、各年度のPERを確認することもできます。今回は「ソフトバンク」を例として確認してみましょう。

まず、ソフトバンクHPにアクセスし「企業・IR」をクリックします。

少し下の方の「IR情報」の中の「業績・財務」をクリックします。

進んだ画面で「有価証券報告書・四半期報告書」をクリックし、直近の「有価証券報告書」をダウンロードします。

有価証券報告書は上場企業が毎期作成しなければならない書類で、PERが表示されています。場所は、「一部【企業情報】-第1【企業の概況】-1【主要な経営指標等の推移】-(2)提出会社の経営指標等」です。

PERは「株価収益率」のところ、右の2014年度は2,536.2倍となっていることが確認できますね。なお、後で「PERの意味と平均」ところでも触れますが、この2,536.2倍という数字は非常に大きすぎるため「異常値」だと思われます。PERの計算式では利益が分母になるため、急激に大きく利益が下がるとPERの数値は大きくなります。

なお、今回は例としてソフトバンクで解説しましたが、サイトの場所や名称は多少変わりますが上場企業であれば同じように有価証券報告書を入手してPERを確認することが可能です。

PERの意味と平均 株の始め方・銘柄の選び方

このPERですがどういう意味を持ち、株式投資においてはどう判断したらいいのでしょうか。

PERの意味

さきほど見たように、PERは以下の計算式で求められます。

PER(倍) = 時価総額 ÷ 純利益 または PER(倍) = 株価 ÷ 1株あたり純利益

例えばPERが20倍ということであれば、利益の20倍まで株が買われていることになります。投資家の取り分=配当金は利益から支払われるものなので、仮に配当金だけで投資回収を考えると20年かかるということになります。このことから、PERが高いと株が割高ということになるのです。

また、PERは株価と利益の関係から計算されるため、分子である株価が上がればPERは上がり、株価が下がればPERは下がります。一方で、分母である利益が上がればPERは下がり、利益が下がればPERは上がるということになります。先程見たソフトバンクのPERがあまりに高い「異常値」だったのは利益が前の年に比べて急激に下がったからだったのですね。

このように、PERはある瞬間の数値を見て高いか安いかというよりも、その会社の過去のPERの数値や将来の予想PERの数値と比較して、今現在のPERが高いか低いか=株が割高か割安かを判断するとよいでしょう。

PERの平均

また、PERを投資判断に使う時に知っておいて欲しいのが、業種や業態によって平均的なPERの数値が異なるというです。一般的に情報・通信業のような急速成長していくと考えられる業界の平均PERは高く、製造業のような徐々に成長していくと考えられる業界の平均PERはそれほど高くありません。

証券取引所の日本取引所グループが業種別のPERとPBRを公開しています。

規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧

2016年5月を見ると東証一部の平均PERは17.1倍で、マザーズは74.6倍です。同じ東証一部でも鉱業は7.5倍で、情報・通信業は25.6倍です。

PERを投資判断に使う時には、同業他社のPERと比較してその会社のPERが高いか低いか=株が割高か割安かを判断するとよいでしょう。

PERと他の指標の関係 株の始め方・銘柄の選び方

PERは単独の指標として見ることにも意味はありますが、他の指標とも関連しています。ここでは、次の式を頭に入れておきましょう。

  • ROE × PER = PBR

株式投資

  • ROE・・・株主資本利益率(当期純利益/株主資本の合計。株主資本に対してどれくらいの利益を上げているか=「効率性」を示す)
  • PBR・・・株価純資産倍率(株価/1株当たり株主資本。株が株主資本の何倍まで買われているか=「割安さ」を示す)

株式投資の初心者は、上の図を見ても何のことやら分からないかもしれませんが、それぞれの指標の関連性やROEやPBRの意味や計算式は別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

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株の始め方:証券会社の選び方① 証券会社を選ぶ5つのポイント

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まとめ

今回は、株の初心者向け銘柄の選び方として「PERとは?意味や平均・計算式や計算方法」について解説しています

  1. PERとは?
  2. PERの計算式・計算方法
  3. PERの意味と平均
  4. PERと他の指標との関係

についてまとめています。PERはファンダメンタルズ分析の指標の中でも、投資家が最も気にかけている指標と言えます。しっかりと内容を理解して自分の株式投資の意思決定の参考にするようにしましょう。

株の初心者向け銘柄の選び方 前後の記事と記事一覧

みんなの教科書では、株の初心者向け「銘柄の選び方」をファンダメンタルズ分析からテクニカル分析まで、ひとつひとつ解説しています。初めて株式投資を始める方でも記事を順番に読めば、株についての基礎知識を身につけることができます。あわせてお読みください。

  1. ROEとは?意味や計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方
  2. PERとは?意味や平均・計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方(今回の記事)
  3. PBRとは?意味や平均・計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方
  4. PCFRとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方
  5. EPSとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方
  6. BPSとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方

また、株と株式投資に関する全ての記事をテーマ別に一覧としてまとめています。あわせてお読みください。


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