作成日:2016年6月2日 更新日:2018年7月26日
株式投資で銘柄を買ったり売ったりする意思決定をするために、投資家は様々な分析を行います。分析には様々な方法がありますが、大きくファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2通りに分けられます。
今回は、株の初心者向け銘柄の選び方として「ROEとは?意味や計算式・計算方法」について解説します。ROEはファンダメンタルズ分析の中でも基本となる指標です。しっかりと内容を理解するようにしましょう。
ROEとは? 株の始め方・銘柄の選び方
ROEとは「Return On Equity」の略で日本語に訳すと「株主資本利益率」になります。ファンダメンタルズ分析の指標として「企業の収益性や効率性」を表していてその企業の儲かりやすさを示すと言ってもいいでしょう。
株主資本とは自己資本とも言いますが、簡単に言うと株主がその企業に投資した資金の合計です。利益率は、その株主資本に対してどのくらい当期純利益が上がったかを示しています。株主からすると、会社の経営者が自分が投資した資金を上手に使って儲けているかが分かる指標です。
このROEですが、欧米では以前から経営者の能力や成果を示す指標として広く使われてきた指標ですが、日本では最近になって注目され始めた指標です。
ROEの計算式・計算方法 株の始め方・銘柄の選び方
ROEは以下の計算式・計算方法で導き出せます。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 株主資本の合計 × 100
ヤフーファイナンスでROEを知る
各銘柄のROEはヤフーファイナンスに表示されます(ヤフーファイナンス-各銘柄のページ-企業情報-単独決算推移または連結決算推移)。
自分の気になる銘柄のROEがどれくらいかチェックしてみましょう。
有価証券報告書でROEを自分で計算する
上場企業であれば企業の有価証券報告書を入手して、ROEを自分で計算することもできます。今回は「ソフトバンク」を例として計算してみましょう。
まず、ソフトバンクHPにアクセスし「企業・IR」をクリックします。
少し下の方の「IR情報」の中の「業績・財務」をクリックします。
進んだ画面で「有価証券報告書・四半期報告書」をクリックし、直近の「有価証券報告書」をダウンロードします。
有価証券報告書は上場企業が毎期作成しなければならない書類です。この中の「一部-第5【経理の状況】-2【財務諸表等】」を見てみます。「(1)【財務諸表】①【貸借対照表】」の負債の部に株主資本という項目があると思います(今回はソフトバンクの「単体」でのROEを計算します)。
この株主資本の合計(ソフトバンクの例・当事業年度2015年3月31日だと238,772百万円+472,079百万円=710,851百万円)がROE計算の分母になります。
同じく「(1)【財務諸表】」に②損益計算書という表があり、その中の当期純利益(ソフトバンクの例・当事業年度 自2014年4月1日至2015年3月31日だと3,272百万円)がROE計算の分子になります。
ROEの計算式「ROE(%) = 当期純利益 ÷ 株主資本の合計 × 100」にあてはめると、3,272 ÷ 710,851 ×100=0.45%となります。
なお、実はわざわざ計算しなくても有価証券報告書にはROEが表示されています。場所は、「一部【企業情報】-第1【企業の概況】-1【主要な経営指標等の推移】-(2)提出会社の経営指標等」です。
ROEは「自己資本利益率」のところ、右の2014年度は0.4%となっていることが確認できますね。
なお、今回は例としてソフトバンクで解説しましたが、サイトの場所や名称は多少変わりますが上場企業であれば同じように有価証券報告書を入手してROEを計算することが可能です。
ROEの意味 株の始め方・銘柄の選び方
このROEですがどういう意味を持ち、株式投資においてはどう判断したらいいのでしょうか。
ROEとは株主から得た投資資金を、経営者がどれだけ効率的に使って利益を出しているかを表しています。計算式のところで見たようにROEは株主資本に対する利益の割合ですから、ROEが高ければ高いほど株主資本を効率的に使っていることになります。経営者としては、会社を上手に経営しているという評価になる訳ですね。
このROEの目安ですが、一般的には10%以上を目指すことが経営者に求められていると言われています。株主からすると、他の企業の株式・債券・FXなど様々な投資案件の中から企業の株に投資することを選んでいて、さらにリスクのある株式投資ですから高めのリターンを求めることになります。
少なくとも銀行や郵便局に預けて2%の金利が得られる状況で、ROEが1%しか出ていない企業であればその企業の株は買われません。なぜなら、その投資資金を全て銀行や郵便局に預けた方がリスクなく儲かるからです。逆に言えば、株式投資においても一般的にはROEが高い企業に投資するべきと言えるでしょう。
ただし1点注意が必要です。それは、ROEは負債(会社の借金)が多ければ多いほど高くなる傾向があるということです。株主にとっては会社がお金を借りて負債を増やしても支払う金利以上に儲かれば問題はないのですが、負債が多くなると金利負担は重くなり倒産などのリスクも高まったりします。そのため、ROEが高くても安全性や財務の健全性は低くなることがあります。
ROEと他の指標の関係 株の始め方・銘柄の選び方
ROEは単独で見ることにも意味はありますが、他の指標とも関連しています。ここでは、次の式を頭に入れておきましょう。
- ROE × PER = PBR
- PER・・・株価収益率(株価/1株当たり利益。株が利益の何倍まで買われているか=「期待値」を示す)
- PBR・・・株価純資産倍率(株価/1株当たり株主資本。株が株主資本の何倍まで買われているか=「割安さ」を示す)
株式投資の初心者は、上の図を見ても何のことやら分からないと思いますが、それぞれの指標の関連性やPERやPBRの意味や計算式は別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
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なお、証券会社を選ぶポイントについては、別記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
株の始め方:証券会社の選び方① 証券会社を選ぶ5つのポイント
個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)
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また、SBI証券では、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)を取り扱っています。
「個人型確定拠出年金」とは、これまでの将来の年金額が確定していた「確定給付年金」と異なり、加入者自身が資産を運用するため、運用状況で将来の年金支給額が異なるタイプの年金になります。
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まとめ
今回は、株の初心者向け銘柄の選び方として「ROEとは?意味や計算式・計算方法」について解説しています。
- ROEとは?
- ROEの計算式・計算方法
- ROEの意味
- ROEと他の指標との関係
についてまとめています。ROEはファンダメンタルズ分析の中でも基本となる指標ですので、まずは意味を理解して自分で計算できるようになりましょう。
株の初心者向け銘柄の選び方 前後の記事と記事一覧
みんなの教科書では、株の初心者向け「銘柄の選び方」をファンダメンタルズ分析からテクニカル分析まで、ひとつひとつ解説しています。初めて株式投資を始める方でも記事を順番に読めば、株についての基礎知識を身につけることができます。あわせてお読みください。
- ROEとは?意味や計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方(今回の記事)
- PERとは?意味や平均・計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方
- PBRとは?意味や平均・計算式を解説 株の始め方・銘柄の選び方
- PCFRとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方
- EPSとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方
- BPSとは?意味・計算式や使い方を解説 株の始め方・銘柄の選び方
また、株と株式投資に関する全ての記事をテーマ別に一覧としてまとめています。あわせてお読みください。