起業して後悔しない為に起業する前に考えておくべき4つの事

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起業

作成日:2015年11月12日 更新日:2016年2月8日

今回は起業してとで後悔しない為に起業する前に考えておくべき4つの事をまとめています。実際に起業する前にこのポイントを押さえておくことで、意思決定に役に立つとともに後で後悔することがなくなります。ぜひお読みください。

起業して後悔しない為に起業する前に考えておくべき4つのポイント

起業に必要なビジネスプラン

By: Yahoo

みんなの教科書では、起業前に以下の4つのポイントを考えておくべきだと考えています。

  1. 起業とは何か?あなたの人生にとって起業にどんな意味があるのか。
  2. 起業のスタイル。あなたにとって起業の位置づけは?
  3. あなたはどんな働き方をしたいのか。起業してそれが実現できるのか。
  4. あなたの起業の動機・目的は?起業して何を実現したいのか。

成功している起業家も、起業してからすべて順風満帆に進んでいる訳ではありません。時には失敗し、時には迷い、時には間違い、朝から晩まで必死に働いて、なんとか事業を軌道に乗せてきているのです。

思い通りに商品・サービスが売れない。資金繰りが厳しい。思うような収入が得られない。そんな苦しい状況に陥ったときに、どうしらよいか。辞めるべきか、それでも続けるべきか- そんな時、起業前にこの4つのポイントをきちんと考えておくと、進む方向を決めるのに役立ちます。

4つのポイントについて、それぞれ詳しく解説してきます。

起業した会社を続けるか、それとも辞めるかどうか- そんな極限の選択を強いられた時、起業家は何を拠り所とするのでしょうか。それは、起業前に決めた、起業する意味、動機や目的なのです。インターネット広告などのIT関連事業を営む、株式会社サイバーエージェントを起業し経営している、藤田晋さんの事例をご紹介します。 

株式会社サイバーエージェント https://www.cyberagent.co.jp/

1998年に起業しわずか2年で上場、当時最年少上場社長として、注目を集めました。ところが、数年でネットバブル崩壊後株価が低迷し、投資家や株主からの厳しいプレッシャーの中、社長を退任したり会社を身売りしたりするようなことを検討せざるを得ない状況に追い込まれました。

「〈おれじゃない人が社長をやったほうが会社のためかも――〉忍耐強く、辛抱強い。自分でそう思っていた心がついに折れた瞬間でした。自分のたったひとつの夢。何もかもを捨てて突き進んできた目標。「21世紀を代表する会社をつくる」その夢はついに終わろうとしていました。」
しかし、心が折れそうになりながらも、「21世紀を代表する会社をつくること」を自分の夢、目標に決めたことを思い出し、何とか打開策を見出し、切り抜けました。
「私は自分の身を引き締めなおしました。〈「21世紀を代表する会社をつくる」。これからはもう何があっても信念を曲げない〉私は、強くそう決意したのでした。」
藤田晋「渋谷ではたらく社長の告白」より

何のために起業するのか、起業して何を実現したいのか、真の困難に見舞われた時ほど、そうした根源的な思いが重要になるということです。

また、起業@みんなの教科書では、起業する際にどんな分野を選びどのようにニーズを探すかについては別記事で解説しています。あわせてお読みください。

起業@みんなの教科書記事 「起業したい方必見!起業する業種の選び方とニーズの探し方」
https://minnanokyoukasho.com/kigyo-idea-point

①はじめに確認しておこう!起業って何?

起業って何なのか?を理解しておきましょう。また、起業する目的や動機についても整理しておきましょう。起業が単なるあこがれや夢ではなく、現実的な選択として考えられるようになります。

起業は人生の選択肢のひとつ

起業@みんなの教科書では、「起業」を人生の選択肢のひとつとして位置づけています。

起業家として新しいビジネスを創業することは、サラリーマンとして会社に勤務することよりも、困難なことかもしれません。また、独立開業・創業起業するということは、責任やリスクが高くなるが、自分の思い通りにできる上、頑張った分報酬を得られるというやりがいがあります。

でも、だからといって、起業することが会社に勤めて働くことよりも、偉いとか価値のあることという訳ではないと考えています。

あくまで、起業は人生の選択肢のひとつとして考えて、一度起業してまた勤め人に戻ったり、人生のある時期だけ起業したり、起業と勤め人を両立させたりと、状況に合わせて柔軟に選択していけば良いと考えています。

今は起業する時期でなくても、5年後は起業すべき時期かもしれません。起業したいという気持ちを持ち、チャンスが来るまで少しずつ準備するという考え方もあります。あくまで、起業は人生の選択肢のひとつとして、起業するという選択肢がベターと思った時に、起業すればいいのです。

世の中には、シリアルアントレプレナー(連続起業家)と呼ばれる、人生において何度も何度も起業する人達がいます。 

ゼロから起業し、事業を軌道に乗せてイグジット(EXIT・IPO(株式公開)やM&A(企業の買収・合併)などの方法で、起業家が株式などを売却し、利益を得ること)し、経営から手を引いてまた新しい起業にチャレンジする人達です

著名なシリアルアントレプレナーには、以下の様な人達がいます。

・ イーロン・マスク
PayPal(ペイパル、クレジットカードを使ったオンラインでの決済システム)を起業・売却し、Tesla Motors(テスラモーターズ、電気自動車の製造販売)や、SpaceX(スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ、ロケットや宇宙船の開発)といったベンチャー企業を立ち上げた。
PayPal https://www.paypal.com/cy/webapps/mpp/home
Tesla Motors http://www.teslamotors.com/
SpaceX http://www.spacex.com/

・ ジャック・ドーシー
Twitter(ツイッター、140文字以内の短文をインターネット上で共有するサービス)を起業した後、Square(スクウェア、スマホをクレジットカードの決済端末にするサービス)を起業。
Twitter https://twitter.com/
Square https://squareup.com/

ゼロから新しいものを生み出し、世の中にインパクトを与える事業を起業し、世の中を変えることに魅せられた人達です。こういった人達にとっては、起業は人生の選択肢の全てと言えるかもしれません。

②起業のスタイルはひとつじゃない!あなたにとって起業とは?

起業を人生の選択肢のひとつとして考えると、起業のスタイルもいろいろ考えられると思います。

  • 就職せずにはじめから起業する。
    最近は、資金面など起業のハードルが下がってきたこともあり、学生のうちに起業するようなケースも増えてきています。
  • 勤め先を辞めて独立起業する、または定年退職した後起業する。
    まずサラリーマンとして会社に勤務し、その知識や経験をもとに独立起業するケースがあります。また、年金支給開始年齢の引き上げなどの理由から、定年退職後、年金支給開始まで起業するケースも増えています。
  • サラリーマンとして勤めながら副業として起業する。
    起業@みんなの教科書は、こうした“本業で収入を確保しながら副業が軌道に乗ってきたら起業する”リスクを抑える方法を推奨しています。

また、以前は就業規則で禁止する会社が多かったですが、終身雇用制度の崩壊や、働き方の多様化などを背景として、副業を認めたり奨励したりする会社も増えています。

  • 副業というほど大きくないお小遣い稼ぎとして起業する。
    本業は別に持ち、あくまでお小遣い程度の少額を稼ぐつもりで起業するケースです。
  • 趣味を仕事にして起業する。
    趣味で作った商品を販売したり、教室を開いて人を教えたりして起業するケースです。
  • 勤務先の企業の新規事業として起業する。
    普通の起業とはちょっと異なるケースですが、勤める企業の協力や資本を受けながら、子会社や新規事業として起業するケースがあります。

いずれにしても、独立・起業するということが、人生やキャリアプランの中でどういう位置づけなのかということを考えてみましょう。もちろん、人生やキャリアのステージによって、その位置づけも変わってくると思います。

転職サイトなど様々なインターネットビジネスを展開する、株式会社じげんの創業者、平尾丈さんの事例をご紹介します。 

株式会社じげん http://zigexn.co.jp/

平尾さんは、慶応大学に在学中に100を超えるビジネスを創業し、実際に会社としても2社起業したそうです。大学卒業後、在学中に起業した会社を経営しながら、株式会社リクルートに入社し、会社員としても働き始めます。

その後、リクルートが出資した企業に出向、代表取締役就任を経て、MBO(マネジメント・バイ・アウト、会社の経営者が株主から株式を買い取り、自社を買収すること。)により経営権を取得し、上場を経験するなど成長を続けています。

平尾さんの例は特殊な例ともいえますが、今後は様々な起業のスタイルを選択する人が増えていくことでしょう。

③働き方も自分で選ぶ!あなたに合った働き方とは

起業を人生の選択肢のひとつと捉えた場合、起業するかどうかを決める際に考えておいて欲しいことがあります。それは、働き方そのものが多様化していることについてです。

以前は、終身雇用制度の中、正社員としてひとつの会社に長く勤めることが美徳とされてきました。しかし、ライフスタイルの変化や考え方の多様性を尊重する社会になり、働き方も多様化しています。

就業形態の多様化

  • 企業経営者、個人事業主
  • 正社員、契約社員、嘱託
  • 派遣社員
  • パート、アルバイト
  • ボランティア

働き方のスタイル

  • 通常の通勤
  • 在宅勤務
  • SOHO
    Small Ofice Home Oficeの略で、自宅など比較的小さく狭いオフィスで働くスタイル。
  • ノマド
    ノマドとは「遊牧民」の意味。PCやタブレット、スマホなどを使い、オフィスだけでなくカフェなど様々な場所で働くスタイル。
ノマドとは働くスタイルを指す言葉です。 

「遊牧民がラクダという砂漠で最強の乗り物を駆り、オアシスからオアシスへと移動しながら生活しているように、狭苦しいオフィスを出て、さまざまな場所を移動しながら働いている人たちです。言ってみれば、『オフィスのない会社』『働く場所を自由に選択する会社員』といったワークスタイルを実践している人たちのことです。」
佐々木俊尚「仕事するのにオフィスはいらない ノマドワーキングのすすめ」より

そうした働き方が出現したり、実現したりしている背景には、ひとつには、スマートフォンやクラウドなどの情報通信をはじめとする技術革新があったことがあります。

もうひとつは、年控序列・終身雇用が崩れ、正社員でもリストラされる時代になり、それまで不安定と考えられていたフリーランスが、逆にどんな時代でも生きていける働き方と、考えられるようになったことがあります。

働き方や生き方も、個人の裁量で選ぶ時代になったということなのです。

就業形態や働き方のスタイルを考えて、果たして自分の望む働き方は何なのか、それは起業して得られるものなのか、起業したとしてどんな働き方をしたいのか、自分に合っている働き方は何なのか、一度見なおしておきましょう。

④起業の動機・目的

そもそもなぜ自分は起業に関心があるのか、起業したいのか、起業しようとしているのか、動機や目的を一度振り返ってみましょう。

ビジネスを立ち上げ大きくすることが起業の目的でしょうか?それが目的という場合もありえますが、一般的には、ビジネスという手段を用いて、何か得たいもの、達成したいもの、自分ならではの動機や目的があるのではないかと思います。

あなたの起業の動機や目的はなんでしょうか?

  • お金をたくさん儲けたい
  • 起業や起業家に憧れている
  • 小さい頃からの夢をかなえたい
  • 好きな仕事をしたい
  • 資格や技術を活かしたい
  • 自己主張、自己実現のため
  • はっきりとした理由はない
  • 社会貢献をしたい
  • 世の中を変えたい
  • そもそも起業が目的だ!
  • いくつかの理由が重なっている

起業の動機や目的である「自分は何のために起業するのか」「起業を通じて何を実現したいのか」をしっかり考えておきましょう。将来起業した際、うまくいかなかったり方向性に迷ったりしたときに、進む道を判断する助けになります。

マザーハウスという会社をご存知でしょうか?バングラディシュを中心とした途上国にバッグなどのものづくりの方法や技術を供与し、ブランドに育て上げるというミッションを持って活動している企業です。創業者が山口絵里子さんという女性なのですが、この本を読むと、本当に起業家は「何のために起業するのか」ということを常に意識し振り返るのだなと考えさせられます。

参考までに、著名な起業家の起業の動機・目的をご紹介しておきます。 

・ 孫正義 ソフトバンクグループ創業者
「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を最低でも1,000億円貯め、40代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、60代で事業を後継者に引き継ぐ。」

・ 藤田晋 サイバーエージェント創業者 
「21世紀を代表する会社をつくる」

・ マーク・ザッカーバーグ FACEBOOK創業者
「世界をより開かれた、よりつながりの強いものにする社会的な使命を達成する」

・ ビル・ゲイツ マイクソソフト創業者
「すべての机と、すべての家庭にコンピュータを」

・ スティーブ・ジョブズ アップル創業者
「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる。もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」

まとめ

今回は、「起業してあとで後悔しない為に起業する前に考えておくべき4つの事をまとめています。

  1. 起業とは何か?
  2. 起業のスタイル
  3. 働き方
  4. 起業の動機・目的

についてまとめています。

起業した後で「こんなはずじゃなかった」「どうしたらよいか分からない」「続けるべきか判断できない」などと、迷う場面に遭遇します。起業する前に、この4つのポイントをきちんと考えておくと、そうした場面での意思決定に役にたちます。

起業を志す全ての人に、有用な記事になれば幸いです。

 


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