保険証がない・医療費が払えない人が「無料低額診療」で病院受診する方法

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作成日:2016年2月23日 更新日:2018年7月26日

お金がない・保険に未加入・保険証がない・医療費が払えないなど、病気やけがをしても病院で受診しづらい人がいます。そんな人は医療にかかれず我慢するしかないのでしょうか?

実はそんな人でも病院で受診することができる「無料低額診療」という制度があります。今回は、「無料低額診療」の内容や使い方・注意点、活用できる医療機関について徹底解説します。

 

「保険証がない」「医療費が払えない」など病院で受診しづらい人達とその理由

日本は「すべての国民を何らかの保険制度に加入させる」国民皆保険制度をとっています。とはいえ実際には、色々な理由や事情により、病気やケガをしていても病院で診療しづらい人がいます。

  • お金がない・低所得者・生活費に困窮している人
  • そもそも保険に未加入な人
  • 保険料未納など何らかの理由で手元に保険証がない人
  • DV等から逃げている人・家族に内緒で妊娠している人
  • 住所不定・ホームレス・住民票がない
  • 無職・失業中
  • 短期滞在の外国人・不法滞在者
  • 刑務所を出たばかりの人

病気やケガは早期発見・早期治療が重要ですが、我慢するしかないと思っている人が沢山います。また、病院で受診できても診療費が全額自己負担になったり多額になると思っている人もいます。

ですが実際はそんなことはないのです。「無料低額報酬」と呼ばれる制度を使えば、このような困っている人達でも無料もしくは低額で医療を受けることができるのです。 

生活に困っている人が無料で医療を受けるためには「生活保護による医療扶助」を受けるという方法もあります。ただし、上に挙げたような「何らかの理由や事情があり医療受診しづらい人」の全てが生活保護を受給するための要件を満たせる訳でなく、さらに生活保護の申請から決定までは時間がかかってしまいます。

生活保護はセーフティネットの最後の手段でもあります。まずはここで解説する「無料低額診療」の活用を検討しましょう。

無料低額診療の概要と活用方法・注意点

無料低額診療の概要

「無料低額診療」は社会福祉法で定められた第二種社会福祉事業で、1951年から始まっています。

社会福祉法第2条3項の九「生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業」

「無料低額診療」を行おうとする医療機関が都道府県または市に届出を行って実施している事業で、患者にとっては通常なら3割の診療費自己負担が減額もしくは免除になります。

なお、この無料低額診療で減額もしくは免除された分の診療費は、この事業を行う医療機関の負担になります。「無料低額診療」を行う医療機関には固定資産税・法人税の優遇措置などが受けられるメリットもありますが、公益性の高い医療法人ではこうした税金がもともと課税されないようなところもあるため、医療機関の良心にもとづき運営されているのが実態です。

無料低額診療の活用方法

この無料低額診療を受けるためには以下のようなプロセスで行います。

この事業を実施している医療機関や福祉事務所に相談

まずは「無料低額診療」を行っている医療機関または福祉事務所に相談しましょう。医療機関には「医療ソーシャルワーカー」または「医療相談員」と呼ばれる担当者がいて、守秘義務があるので安心して相談できます。

経済状況などから医療費減免措置が認められる

「医療ソーシャルワーカー」または「医療相談員」が、経済状況などから医療費の減免措置が適用できるか判断します。状況によっては、給与明細・通帳・年金記録などの写しを提出する必要があります。

なお、医療費減免措置は全国で一律に決まっている基準はないため、各々の医療機関がそれぞれの基準で判断します。一般的には、収入が生活保護基準(厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費)の150%以下もしくは120%以下が目安になるようです。

ご参考:厚生労働省「生活保護制度

無料診療券や低額診療券が発行され、病院で受診

減免措置が認めらえれると、無料診療券や低額診療券が発行されます。なお、この無料診療券や低額診療券は通常1ヶ月~6ヶ月の有効期間になっています(延長も可能)。

また、この期間内に、ソーシャルワーカーが様々な問題の解決(生活保護申請・年金受給、障害者向け支援策の利用、借金やDV問題)を支援してくれます。

無料低額診療の注意点

このように医療に困っている人には大変便利な制度である「無料低額診療」ですが、1点大事な注意点があります。それは、診療費の自己負担分は減額もしくは免除になりますが、薬代は減額・免除にはならないということです。

病院では処方箋を発行して院外で薬を処方されるケースが多い状況だと、現状では薬代はかかってしまうのです。

無料低額診療を行っている病院・診療所・医療機関

2012年度で無料低額診療を行う病院・診療所は558施設です(厚生労働省)。すくなくとも全ての都道県に1つ以上あり、大都市には複数あるケースが多いです。

社会福祉法人恩賜財団済生会

無料低額診療を行う病院・診療所で代表的なものが、社会福祉法人恩賜財団済生会です。もともと明治天皇が生活困窮者を救済しようと設立された医療機関です。全国にある済生会の医療施設は下のリンクから探せます。

社会福祉法人恩賜財団済生会 施設検索-一覧から探す

民医連(全日本民主医療機関連合会)

民医連(全日本民主医療機関連合会)に加盟する病院・診療所も多くが無料低額診療を実施しています。民医連の無料低額診療を実施しる医療施設は下のリンクから探せます。

民医連(全日本民主医療機関連合会) 無料・低額に取り組んでいる事業所

その他

その他、医療生協、勤労者医療協会、社会福祉法人・財団法人形態の病院、宗教関係の病院、日赤病院などに無料低額診療を実施している医療施設があります。また、一般の病院でも「無料低額診療を実施しいます」「医療費でお困りの方はご相談ください」などのパンフレットや張り紙がある病院で実施している場合があります。

お住まいの地域の近くの無料低額診療を行っている病院を探すには、都道府県もしくは市町村の福祉課に問い合わせてみましょう。また、インターネットでも「無料低額診療+◯◯◯(地域名)」で検索可能です。参考までに東京都と大阪府の例を記載しておきます。

まとめ

今回は、お金がない・保険に未加入・保険証がない・医療費が払えないなど、様々な事情でも病院で受診しづらい人方でも医療が受けられる「無料低額診療」について解説しました。

  • 「保険証がない」「医療費が払えない」など病院で受診しづらい人達とその理由
  • 無料低額診療の概要と活用方法・注意点
  • 無料低額診療を実施している病院・診療所・医療機関

についてまとめています。

病気やケガをしたら外国籍・ホームレス・保険未加入などでも諦めずに「無料低額診療」が受けられる病院を探して適切な治療を受けて下さい。

お金に悩む全ての人に有用な記事になれば幸いです。

 


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