作成日:2016年3月10日 更新日:2018年7月26日
お金持ちとそうでない人には、お金についての考え方や思考に大きな違いがあります。お金持ちになるためには、まずお金持ちの思考や考え方を知り、理解して、それを身につける必要があります。
今回はお金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考を解説します。「時間」と「お金」は一見関係のないようで、お金持ちになるためにはとても重要なポイントになります。ぜひお読みください。
お金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考の概要
お金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考は3つあります。
- 機会費用と不確実性
- 現在価値と割引率
- 流動性リスク
難しい言葉が並んでいますがそれぞれ分かりやすく解説していきます。
お金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考① 機会費用と不確実性
友達から借金のお願いがあったとします。「100万円貸して欲しい。1年後に利子を5万円つけて返すよ。」さてどうしましょうか?
機会費用とは
友達に100万円貸せば1年後には105万円になって返ってきますので、とってもいい話ですね。一方で、あなたが100万円貸さなかった場合を考えてみてください。100万円あったら何ができるでしょうか?軽自動車が買えますね。海外旅行に行けるし、大きな買い物ができたかもしれません。
あなたは友達に100万円貸す代わりに銀行に預金し1%の利息がつけば。1年後には101万円になったかもしれません。このことは、友達に100万円貸すという行動を取ったために、あなたは銀行から1%の利息を得る機会を失っていると言うこともできます。
こうしたある行動を取ることで別の利益を得る機会を失うことを「機会費用」といいます。
お金持ちは、お金を貸す・借りる・貯める・増やす・使うなど何かした時は別の何かをする機会を失っていること=「機会費用」を常に意識しているのです。
不確実性とは
友達は1年後に105万円にして返すと言っていますが、これは確実な話でしょうか?友達は本当に返すつもりでもどうしても1年後にお金が足りなかったり、他にお金を使わなければならなかったり、そもそも嘘をついていたりする可能性があります。未来に何が起こるかは誰にも分からないのです。
このような確実に起こるかどうか分からないことを「不確実性」といいます。
お金持ちは、お金を貸す・借りる・貯める・増やす・使うなど何かする時は将来確実に起こるかどうか分からないこと=「不確実性」をいつも考慮に入れているのです。
お金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考② 現在価値と割引率
お金持ちは、お金に関する判断や意思決定を行う時に「機会費用」と「不確実性」を考慮に入れて行います。具体的には、将来のお金の価値を今の価値に置き換えて得か損か考えます。
友達に100万円を貸した時1年後に105万円になります。貸すかどうかを判断するには「1年後の105万円が今の価値だといくらになるか」を計算し、得か損かを考えて貸すかどうかの判断をするということです。この、将来のお金を今の価値に置き換えて考える時の「今の価値」を「現在価値」といい「置き換える」ことを「割り引く」といいます。
機会費用と不確実性を割り引いて現在価値を計算する
実際に計算してみましょう。銀行に預ければ1%の利息が得られるので、1年後の105万円を現在価値に置き換える際に機会費用として1%を割り引いて現在価値を計算します。
105万円 ÷ 1.01(100%+1%) = 104万円
さらに、不確実性として10%を割り引きます。実際に不確実性がどれだけあるかの計算は難しいのですが、予定通り105万円になって帰ってこない可能性が10%ぐらいあるだろうと仮定して計算します。
105万円 ÷ 1.11(100%+1%+10%) = 94.6万円
1年後の105万円は、機会費用と不確実性を割り引くと約95万円になってしまいます。このことは何を意味しているかというと、1年後の105万円は現在価値では95万円しかなく、友達にお金を貸した瞬間に100万円あったお金の価値が95万円に減ってしまうということなのです。もちろん、結論としてはお金を貸さないということになります。
では、友達が「1年後に115万円にして返すよ!」と言ってきたらどうなるでしょうか。
115万円 ÷ 1.11(100%+1%+10%) = 103.6万円
こうなると、今の100万円よりも1年後の105万円の現在価値が大きくなりますので、貸した方が得だという判断もできるようになるのです。
現在価値と割引率
この割り引くためのパーセンテージ(機会費用と不確実性)を割引率といいます。銀行に預けた場合の利息が上がったり、お金が返ってこない可能性が高くなったりすると割引率は大きくなり、その分現在価値は小さくなることになります。つまり、機会費用と不確実性が大きければ大きいほど、割引率は大きくなるということです。
お金持ちは、お金を貸す・借りる・貯める・増やす・使うなど何かする時は現在価値に割り引いて得か損か考えているのです。
お金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考③ 流動性リスク
銀行にお金を預金したり郵便局で貯金したりすると、利息や利子がもらえます。逆に住宅ローンなどお金を借りると、利息や利子を払わなくてはなりません。この利息や利子を金利といいます。この金利はもらう場合も払う場合も期間が長いほど高くなります。例えば、定期預金なら1年よりも3年の方が金利は高くなります。住宅ローンでも10年よりも35年の方が高くなりますよね。どうしてでしょうか?
なぜかというと、お金の貸し手がいつでもお金を自由に使える=流動性を失っている代わりに、高い金利を得ることができるのです。このことを流動性リスクといいます。
例えば、現金であれば好きなものも買うこともでき、投資もできるし、貯蓄もできます。自由にお金を使うことができますよね。一方、定期預金に入れておくと途中解約しないかぎり、自由にお金を使うことができません。この自由が無くなる時間が長ければ長いほど、金利が高くなるという訳です。
お金持ちは「お金を自由に動かせる」こと自体に価値があることを知っているのです。
まとめ
今回はお金持ちになるために知っておくべき「時間とお金の関係」についての考え方・思考を解説しています。
- 機会費用と不確実性
- 現在価値と割引率
- 流動性リスク
についてまとめています。お金持ちの思考や考え方を知り、理解して、それを身につけた上でお金持ちになる方法を実践していきましょう。
お金持ちになりたい全ての人に有用な記事になれば幸いです。