不動産投資のリスクを下げ成功する為に!5つの失敗事例と理由・原因

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作成日:2016年2月25日 更新日:2018年7月26日

不動産投資はリスクのある投資です。なるべく失敗するリスクを下げ成功するためにはどうしたらいいのでしょうか?

今回は「不動産投資のよくある5つの失敗事例とその失敗の理由・原因」について解説します。不動産投資においてよく見られる失敗事例を知り、その失敗の理由と原因を学ぶことで同じような失敗をしないように気をつけることができます。ぜひお読み下さい。

 

不動産投資の失敗事例と原因のまとめ

今回ご紹介する不動産投資の5つの失敗事例・パターンとその理由・原因をまとめると下の表のようになります。

番号 項目 内容
借り手がいない 借り手がいない物件は打ち手がなくなる
借入額が多すぎる 借入額が多すぎると状況が変わった時に対応できない
借入期間が短すぎる・長すぎる 借入期間と投資の方向性を合わせる必要がある
利回りが低すぎる 利回りが低すぎると投資として見合わない場合がある
流動性が低い 流動性が低い物件は投資の選択肢が狭まる

それぞれの内容について詳しく解説していきます。

不動産投資の失敗事例と原因① 借り手がいない物件

不動産投資はマンション・アパートや一戸建てなどの不動産を購入し、物件を賃貸することで家賃収入を得る投資方法です。そのため、物件の借り手がいて初めて成り立つ投資です(当たり前ですが)。満室で運用する前提で利回りを想定しても、借り手が入居しない限りキャッシュフローが発生しません。

地方の郊外におけるアパートへの投資の失敗事例をご紹介します。

  • 地方の田舎にある15部屋のアパートを6,000万円のフルローンで購入
  • 収入見込み 15世帯家賃7万円12ヶ月=約1,200万円 表面利回り20%
  • 支出見込み ローン返済:400万円 運営費:200万円 計600万円
  • キャッシュフロー見込み 1,200万円-700万円=600万円 実質利回り10% 

この事例は、近くにある大きな工場の従業員とその家族の需要を見込んでアパートに投資したところ、その工場が移転してしまい全く借り手が見込めなくなってしまった失敗事例です。こうなると、もともと想定していた家賃収入が見込めないばかりではなくローン返済などの支出はかかってしまうので、毎年数百万円のキャッシュアウトになってしまいます。

賃貸物件が沢山近くにある地域は、競争が激しいですがある程度市場があり今後も続くことが見込めます。そうした地域では、競合物件よりも家賃・間取り・内装などを魅力的にすることで物件の競争力を上げ収益性を高められる可能性があります。

一方で賃貸物件が近くにあまりない地域は、競争が激しくない分そもそもの市場がなかったり今後の市場がなくなったりする可能性があります。こうした地域では家賃・間取り・内装などの変更では根本的な問題を解決できない場合があります。

不動産投資を行う場合は、借り手がいない物件にならないように注意する必要があります。

不動産投資の失敗事例と原因② 借入額が多すぎる

不動産投資で大切なのは投資対効果です。決して規模の大きな物件に投資することが良い投資とは限りません。

もちろん少ない自己資金で大きな借入を行い「レバレッジ」(直訳すると「てこ」。少ない資金で大きな取引をすること)を効かせることで、自己資金だけではできないような大きな取引ができるようになります。また、新規物件を次々と継続的に取得していくことで、物件取得にかかるコストを経費化して節税効果を受け続けるようなことも可能です。

しかし、不動産投資の失敗としてよくあるのが、借入が大きすぎて状況が変わった時に資金繰りに行き詰まるケースなのです。

前述の地方の郊外におけるアパートへの投資の失敗事例で考えてみます。

  • 地方の田舎にある15部屋のアパートを6,000万円のフルローンで購入
  • 収入見込み 15世帯家賃7万円12ヶ月=約1,200万円 表面利回り20%
  • 支出見込み ローン返済:400万円 運営費:200万円 計600万円
  • キャッシュフロー見込み 1,200万円-700万円=600万円 実質利回り10% 

収入見込の賃料は「現状の賃料」が「満室で稼働」した場合の想定です。近い将来に、賃料を見なおさなければならなかったり、空室率を見込まなければならなかったりする可能性があります。仮に、賃料・稼働率をそれぞれ現状の7割に見直すと、以下のように減ってしまいます。

  • 収入見込み(修正) 15世帯家賃7万円12ヶ月0.7(家賃の引き直し)0.7(稼働率)=約620万円 表面利回り(修正)10%
  • 支出見込み ローン返済:400万円 運営費:200万円 計600万円
  • キャッシュフロー見込み(修正) 620万円-600万円=20万円 実質利回り0.3% 

さらに、購入する際に想定していなかったリフォーム費用などにより支出が増えると、キャッシュフローがマイナスになることも十分有り得ます。このように表面利回りの高さに惹かれて物件を購入してしまった後にキャッシュフローを減らす様々な要因が顕在化することで資金繰りに詰まるケースがあるのです。

こうなった時、他の収入や資産状況からカバーできればいいのですが、そうでないと手のうちようがなくなります。借入額は収入や資産から考えて無理のない範囲に抑えた方がよいのです。

不動産投資を行う場合は、借入額が多くなり過ぎないようにする必要があります。

不動産投資の失敗事例と原因③ 借入期間が短すぎる・長すぎる

資金を借入でまかなう不動産投資において金利や借入額について気にする方は多いのですが、意外に借入期間の長さを気にする人が少ない傾向にあります。不動産投資にとって借入期間の長さはキャッシュフローや次の借入に影響する重要なポイントです。

同じ金利でも借入期間が短いほど毎月の返済額は多くなりますが元本の返済が早くなり、借入期間が長いほど毎月の返済額は少なくなりますが元本の返済が遅くなります。下の表を見て下さい。

返済期間 借入額 金利 毎月の返済額 5年後の残債
10年 5,000万円 3% 48万円 2,690万円
30年 21万円 4,450万円

このように、同じ借入額・金利でもかなり結果が変わってきます。

こうした借入期間の長さは、短いほうがよいとか長いほうがよいとかという訳ではなく、投資家の考え方、どのような不動産投資をしたいかによって変わってくるのです。

例えば早めに物件を売却してまとまったキャッシュが欲しいのであれば借入期間を短くし、投資期間の前半でキャッシュフローを大きくしてそれを元手に再投資したいのであれば借入期間を長くしたほうがよいことになります。 

不動産投資を行う場合は、借入期間が短すぎたり長すぎたりしないようにする必要があります。  

不動産投資の失敗事例と原因④ 利回りが低すぎる

不動産投資の収益は利回りで決まります。そのため利回りは高ければ高いほうが投資として魅力的ですが、利回りが高いということはそれだけリスクも多いということになります。かといって、利回りが低い物件なら確実な投資ができるかというとそんなこともありません。

利回りが低ければ安全性は高いですが、投資として成り立つかどうか検討する必要があります。また、表面利回りは高いが実質利回りが低い物件にも注意する必要があります。

利回りの低すぎる物件

都心部における区分マンションへの投資の失敗事例をご紹介します。

  • 東京都心部の好立地の区分マンションを3,000万円のフルローンで購入
  • ローンは金利2.675%借入期間35年
  • 収入見込み 家賃12万円12ヶ月=約144万円 表面利回り4.8%
  • 支出見込み ローン返済:110万円 管理費等:24万円 計134万円
  • キャッシュフロー見込み 144万円-134万円=10万円 実質利回り0.3%

これは現状の賃料で満室想定ですから、空室になるととたんにキャッシュフローがマイナスになります。これでは投資として見合わないことが分かると思います。 

表面利回りは高いが実質利回りが低い物件

表面利回りが高いのに実質利回りが低い物件というものがあります。こうした物件には以下のような特徴があります。

  • 家賃に対して運営費(税金・清掃費・メンテナンス費など)が高い
  • 家賃に対して空室を埋める広告宣伝費が高く期間がかかる・原状回復費用が高い
  • 家賃に対して修繕費(防水・塗装など)が高い

これは物件によってケースバイケースですが、一般的には首都圏で便利な物件であれば表面利回りと実質利回りの差が小さく、地方で郊外の物件であれば表面利回りと実質利回りの差が大きい傾向があります。

目安としては、首都圏で便利な物件なら表面利回り8%なら実質利回り6%、地方郊外の物件なら同じ実質利回りり6%を期待するなら表面利回り12%ぐらいです。 

また、OPEX比という指標があります。これは、OPEX比=運営費÷総潜在収入で算出できる数値で、キャッシュフローを減らす「運営費」が総潜在収入=現状賃料で満室想定のどれくらいあるかを表したものです。

  • 木造アパート 15%前後
  • 鉄筋マンション 17%前後
  • 区分ワンルーム 22%前後

だいたい東京周辺では上の数値が目安になります(賃料坪単価1万円程度の物件)。このあたりも不動産投資を行う上では想定にいれておきましょう。

不動産投資を行う場合は、利回りが低過ぎる物件を避ける必要があります。  

不動産投資の失敗事例と原因⑤ 流動性が低い

不動産投資は一度購入した物件をずっと保持し続ける必要はありません。今の物件よりももっと良い投資物件が出てきたりあるいは別の投資方法を選択したりするために、一度物件を売って現金化したい時があります。そんな時に重要なのが物件の流動性です。

物件の流動性とは、現金としていつでも使える度合いの事で、具体的には投資した物件を現金化したくなったときに、売れやすいのか売れにくいのか・売れるのか売れないのか・売れるならどれくらいの期間や金額で売れるのかなどを示します。もちろん、流動性が高いほど有利になります。

流動性が低いと変化する投資環境や状況に合わせてダイナミックな行動が取れず、新たな投資機会の損失や今の投資での損失を避けたり予防したりするようなことがしにくくなります。

事例で考えてみましょう。

  • 物件Aと物件Bの2つを所有している
  • 物件Aの賃貸収入によるキャッシュフローが年間約120万円
  • 物件Aを売却してローン残債を返済すると2,000万円現金で残る見込み
  • 物件A売却手取り金の2,000万円で物件Bのローン残債1,200万円(年間返済300万円)の返済をする

こういったスキームを実施したときにキャッシュフローや収支はどうなるでしょうか?

まずキャッシュフローは、増加(物件Bの返済300万円)- 減少(物件Aの収益120万円)=180万円増えます。さらに、物件Aの売却手取金から物件Bのローン残債を引いた残り800万円がキャッシュとして残るため、その分はまた投資に回せます。また、物件Aの課税所得がなくなるためその分の節税効果が見込めます。

こうしたスキームが実施できるのも、物件Aの流動性が高い(すぐに現金化できる)前提が必要で、流動性が低いとこうしたスキームが行えたくても行えないのです。

不動産投資を行う場合は、流動性が低い物件に手を出さない必要があります。

ご参考:不動産投資を成功させるために参加しておくべきセミナー

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まとめ

今回は「不動産投資のよくある5つの失敗事例とその失敗の理由・原因」について解説しました。

  1. 借り手がいない
  2. 借入額が多すぎる
  3. 借入期間が短すぎる・長すぎる
  4. 実質利回りが低い
  5. 流動性が低い

についてまとめています。この記事をよく読んで失敗の理由と原因を知ることで同じような失敗をしないように注意することができます。

不動産投資に関心のある全ての方に有用な記事になれば幸いです。


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