作成日:2016年3月14日 更新日:2018年7月26日
投資や資産運用と聞くとまず株式投資を思い浮かべる方が多いと思います。実際には、個人でも行える投資や資産運用には他にも様々な方法があります。
今回は個人でも行える投資や資産運用として「株・投資信託・債券・外貨(FX)のメリットとデメリット・リスク」について解説します。知識がなく必要以上にリスクに怯えるのではなく、きちんと知識をつけた上で自分にあった投資手法を選びましょう。
株・投資信託・債券・外貨(FX)投資と資産運用のメリットとデメリット・リスクのまとめ
株・投資信託・債券・外貨(FX)投資と資産運用のメリットとデメリット・リスクを一覧にまとめました。
投資手法 | 内容 | メリット | デメリット・リスク | リスクとリターン |
---|---|---|---|---|
株 | 株式会社の株を購入する | 値上がり益 配当金 株主優待 その他 |
株価下落 流動性 |
ややハイリスク・ややハイリターン |
投資信託 | プロが運用し分散投資する | 少額から可能 プロが運用 分散投資 |
コストがかかる 元本割れ |
ややローリスク・ややローリターン |
債券 | 国や企業に「お金を貸す」 | 利息がつく 額面金額が償還 安全性が高い |
金利変動 デフォルトリスク 為替・カントリーリスク |
ローリスク・ローリターン |
外貨(FX) | 「証拠金」を担保に外貨を運用 | 少額投資可能・レバレッジ 24時間取引可能 どの局面でも利益を出せる |
レバレッジ 為替変動 流動性 |
ハイリスク・ハイリターン |
それぞれについて詳しく解説していきます。
投資や資産運用しないことがリスクになる!?
現在は高度成長期と違い、多くの産業や企業が順調に成長していく時代ではありません。会社が成長しないということは給料も右肩上がりに上がっていくこともない訳です。さらに、未曾有の低金利時代に突入しており、普通預金の利子はメガバンクで0.001%と、銀行に預けても殆どお金が増えません。
こうした時代では投資や資産運用でお金を増やしていくことが必要になってきます。ただ、投資や資産運用と聞くと「損したりするリスクが怖い」と必要以上に尻込みしてしまう人も多いと思います。しかし、投資や資産運用をしないということは、逆に、本当なら得られた利益が得られない「機会損失」のリスクを負っているとも言えるのです。
例えば60歳で定年を迎えた時に2,000万円の現金貯金があったとします。老後の生活費を、年金支給と貯金の取り崩し(月に10万円)でまかなうとした時に、投資や資産運用した人としない人ではどれくらい差がでるでしょうか?
運用利率 | お金がなくなる時 |
---|---|
0%(運用せず) | 77歳(17年後) |
1% | 79歳(19年後) |
2% | 81歳(21年後) |
3% | 84歳(24年後) |
4% | 89歳(29年後) |
5% | 97歳(37年後) |
上の表のように、運用するとしないのではどんどん差が出てしまうことが分かります。現状ではむしろ投資や資産運用をしないことがリスクなのです。
株の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
株式投資とは「株式会社が発行した株式を購入して株主になり株主権を取得する」ということです。株式投資と聞くと、「株価が安い時に株を買って、高い時に売って儲ける」というイメージを持つ方が多いと思います。実際は株主になることでそれ以外にも様々なメリットを得ることができるのです。
株の投資と資産運用のメリット
株の投資と資産運用のメリットは大きく4つあります。
- 値上がり益
- 配当金
- 株主優待
- その他
値上がり益
株式投資でお金を増やすことで多くの方がイメージするのがこの値上がり益だと思います。値上がり益はキャピタルゲインとも言い、購入時の株価より売却時の株価が高ければその差額が利益になります。
配当金
配当金とは企業が得た利益の一部を株主に分配することで、インカムゲインとも言います。一般的には年に1~2回、株主は持ち株に応じた現金を受け取ることができます。ただし、配当を出さない会社・年度もあるので注意が必要です。
株主優待
株主優待とは企業が株主に与える優待制度のことで、自社の商品やサービスを安く購入できたり優先的に使えたりする権利を株主が受け取れる仕組みです。配当金同様、会社によっては制度がない会社もあります。
その他
株式投資を行う副次的なメリットとして、政治や経済などの情報に詳しくなるという点があります。株は景気や為替、政治や国際情勢に大きな影響を受けます。こうした知識を得ることで、株に限らず投資のスキルを身につけることができます。
株の投資と資産運用のデメリット・リスク
株の投資と資産運用のデメリット・リスクは大きく4つあります。
- 株価下落リスク
- 流動性リスク
株価下落リスク
株は株式市場を通して多くの投資家に売買され、需要と供給のバランスから株価は常に変動しています。そのため、上がると思って買った株でも予想に反して大きく株価が下落して損してしまうことがあります。また、最悪の場合は倒産など、価値がゼロになってしまうリスクがあります。
流動性リスク
流動性とは株の取引量(流通量)のことです。株式市場で取引されている株にはあまり売買が多くない銘柄があるので、「売りたい時に売れない」「買いたい時に買えない」という状況になってしまうリスクがあります。
株の投資と資産運用を始めるなら
株式投資を始める場合は、これらのメリットとデメリット・リスクをきちんと把握したうえで行いましょう。
これから株式投資を始める方はスマホやPCで注文を出せるネット証券会社で口座開設するといいでしょう。ネット証券会社にもいろいろありますが、いわゆるデイトレーダーのように株の売買を頻繁に繰り返して稼ごうとする方は、業界屈指の安い手数料で人気のhttp://www.iwaicosmo.co.jp/での口座開設がおすすめです。
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投資信託の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
投資信託とはファンドとも言い、ファンドマネージャーと呼ばれる資金運用のプロが、沢山の投資家から少しずつ資金を集めて株式や債券などに分散投資する仕組みです。投資信託の運用で得られた利益は、投資家の出したお金の額に応じて分配されます。
投資信託の投資と資産運用のメリット
投資信託の投資と資産運用のメリットは大きく3つあります。
- 少額から投資を始められる
- 運用のプロに運用を任せられる
- 分散投資でリスクを減らせる
少額から投資を始められる
通常、株式投資や債券投資は最低投資金額が大きく、ある程度まとまったお金が必要になります。その点投資信託は10,000円などの少額から投資を始めることができます。
運用のプロに運用を任せられる
投資や資産運用で成果を出すには多くの知識や経験が有利に働きます。個人でそうした知識や経験を身に付けるには大変ですが、投資信託なら運用のプロであるファンドマネージャーが代わりに運用してくれます。
分散投資でリスクを減らせる
投資信託では株式・債券・不動産・商品など、多様な資産に分散投資することでリスクを下げることができます。個人では購入が難しい海外の資産も投資対象とした投資信託も多くあります。
分散投資について
分散投資とは、投資対象を多様化させて資産運用の価格変動リスクを下げる方法です。例えば1つの銘柄の株式に全ての資金を投資していた場合、株価が下落したり倒産した場合にその影響をすべて受けてしまいます。そのため、複数の資産や銘柄に資金を分けて投資することで、リスクを分散・軽減するのです。
分散投資はよく「かごに盛った卵」に例えられます。全ての卵を1つのかごにまとめて盛ってしまうとかごを落とすと全ての卵が割れてしまいます。しかし、卵を別々のかごに分けて入れれば、1つのかごを落としても他のかごの卵は無事に済むという訳です。
例えば、100万円の資金を5つの銘柄に投資するケースで考えてみましょう。
項目 | 銘柄① | 銘柄② | 銘柄③ | 銘柄④ | 銘柄⑤ | 利益計 |
---|---|---|---|---|---|---|
株価の変動 | +15% | +10% | +5% | 0% | -5% | |
銘柄①に集中投資 | 115万円 | 15万円 (15%) |
||||
5つの銘柄に分散投資 | 23万円 | 22万円 | 21万円 | 20万円 | 19万円 | 5万円 (5%) |
このケースだと集中投資した銘柄①が大きく株価が上がったため、大きなリターンが出ています。
次に、逆のケースを考えてみましょう。
項目 | 銘柄① | 銘柄② | 銘柄③ | 銘柄④ | 銘柄⑤ | 利益計 |
---|---|---|---|---|---|---|
株価の変動 | -10% | +10% | +5% | 0% | -5% | |
銘柄①に集中投資 | 90万円 | 90万円 (-10%) |
||||
5つの銘柄に分散投資 | 18万円 | 22万円 | 21万円 | 20万円 | 19万円 | 0万円 (0%) |
一方このケースでは集中投資した銘柄①が大きく株価が下がったため、大きな損失が出ています。しかし分散投資していれば損失を出さずに済むことが分かります。
このように、分散投資はリスクを下げる効果があるのです。
投資信託の投資と資産運用のデメリット・リスク
投資信託の投資と資産運用のデメリット・リスクは大きく2つあります。
- コストがかかる
- 元本割れリスク
コストがかかる
投資信託は運用をファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロに任せるため、投資資金を管理・運用してもらうコストを支払う必要があり、その分利益は減ることになります。なお、投資信託にかかるコストは以下のようなものがあります。
項目 | 内容 |
---|---|
購入時手数料 | 投資信託を買う時にかかる手数料。購入額の1.0~3.0%程度。 |
運用管理費用 | 投資信託保有期間ずっとかかる運用に関する手数料。1年に0.5%~2.0%程度。 |
信託財産留保額 | 投資信託を売る時にかかる手数料。価額の1.0~2.0%程度。 |
元本割れリスク
投資信託も株式同様に元本割れのリスクがあります。ファンドマネージャーが思うような運用実績が出せないと、購入額よりも売却額が下回り損失が出る可能性があります。
投資信託の投資と資産運用を始めるなら
投資信託の投資・資産運用を始める場合は、これらのメリットとデメリット・リスクをきちんと把握したうえで行いましょう。
どんな資産や商品に分散投資するかは、投資信託によって変わってきます。その投資信託がどのような資産や商品に投資しているかは確認しておきましょう。また、いくつかの投資信託の運用成績と手数料を比較し、どこの投資信託が成果が出ているかも重要なチェックポイントです。
これれから投資信託の投資・資産運用を始める方は、分散投資かつ販売手数料が無料で業界でも低水準な信託報酬のhttps://www.saison-am.co.jp/が良いでしょう。毎月5,000円から積立できるので、まずは定期預金感覚で始めるのが投資の初心者にとっておすすめです。
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投資信託の選び方については、経済評論家でお金に関する沢山の著書がある山崎元さんが詳しく解説されている記事があります。そちらもお読みください。
債券の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
債券とは、国や地方自治体地方、企業などが投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するもののことを言います。発行元が国であれば「国債」で企業なら「社債」になります。株式などの出資と違い債券は「お金を貸す」ということになるので、倒産など万一の際でも優先的に回収できる特徴があります。
債券の投資と資産運用のメリット
債券の投資と資産運用のメリットは大きく3つあります。
- 利息がもらえる
- 満期日に額面金額が返ってくる
- 比較的安全性が高い
利息がもらえる
債券の投資と資産運用では、あらかじめ決められた一定の利率分の利息を受け取ることができます。通常は、金利変動に関係なく利息をもらうことができ、銀行や郵便局の定期預金・貯金よりも高い利率です。
満期日に額面金額が返ってくる
債券は株式などと違って満期日があるため、あらかじめ決められた日に額面金額が戻ってきます(このことを償還と言います)。
比較的安全性が高い
債券は他の金融商品とくらべて、比較的安全性が高いと言われています。後述するリスクのように額面割れの可能性はゼロではないのですが、リスクについては格付け会社が債券の信頼性をランク付けしているので、ある程度参考にすることができます。
債券の投資と資産運用のデメリット・リスク
債券の投資と資産運用のデメリット・リスクは大きく3つあります。
- 金利変動リスク
- デフォルトリスク
- 為替・カントリーリスク
金利変動リスク
債券の利息=金利が変動金利の場合、市場の金利変動に応じて金利が下がってしまうリスクがあります。また、固定金利の場合は逆に、市場の金利があがり定期預金等の方が有利になっても途中売却ができにくい(損失が出る)可能性があります。
デフォルトリスク
債券の発行体である国が破たん、企業が倒産するリスクがあります。債券は出資と違い「お金を貸す」ので万一の際には優先的に回収可能ですが、それでも額面割れの可能性はあります。
為替・カントリーリスク
外国債券の場合、為替変動によるリスクがあります。償還時に円高になると為替差損が出てしまいます。また、その国の政治・経済・社会情勢などを原因とした価格変動などのリスクもあります。
債券の投資と資産運用を始めるなら
債券の投資と資産運用を始めるなら、まずは「個人向け国債」を検討するとよいでしょう。銀行や証券会社などで購入できます。個人向け国債は、途中売却でも国が額面金額で買い取ってくれるため事実上元本保証されているのと同じことになります。
社債(個人向け社債)も証券会社で購入できます。国債に比べて金利が高い社債もありますが、倒産などのデフォルトリスクがあることに注意しましょう。
また、債券の投資や資産運用についてもっと詳しく知りたい方は、日本証券業協会の「債券投資の基礎」を参考にしてください。債券投資の種類や内容を動画で学ぶことができます。
外貨(FX)投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
外貨投資・資産運用とは、為替の変動を利用して外貨(ドルなど)を売買して利益を出す投資手法です。FX(外国為替証拠金取引)は外貨投資のひとつで、少額の「証拠金」をもとに大きく外貨を運用する取引のことです。ここではFXについて解説していきます。
外貨(FX)の仕組み
外貨投資・資産運用は、簡単に言うと円でドルなどの外貨を買ったり売ったりして利益を上げる投資です。
外貨(FX)はハイリスク・ハイリターンな投資手法です。ハイリターンである理由が、証拠金の25倍に相当する外国為替の取引ができるためです。例えば100万円の証拠金で2,500万円の取引ができるということで、投資資金が少なくても大きな投資ができるのです。
※証拠金とは、取引業者に口座を開設する際に差し入れる一種の担保のようなものです。
外貨(FX)の投資と資産運用のメリット
外貨(FX)の投資と資産運用のメリットは大きく3つあります。
- 少額から投資を始められレバレッジをかけられる
- 24時間取引ができる
- どの局面でも利益を上げることができる
少額から投資を始められレバレッジをかえられる
外貨(FX)は1万円程度の少額から投資を始めることができ、レバレッジ(少額の証拠金を担保に大きく取引できること)をかけられるため、投資金額に対して大きなリターンが可能な投資です。
24時間取引ができる
外貨(FX)は取引時間の制約を受けず、平日なら24時間取引可能です。そのため、平日の日中に時間の取れない方などに向いています。
どの局面でも利益を上げることができる
外貨の買い・売りを選択できるため、円高でも円安でも理論上はどちらの局面でも利益を上げることが可能です。
外貨(FX)の投資と資産運用のデメリット・リスク
外貨(FX)の投資と資産運用のデメリット・リスクは大きく3つあります。
- レバレッジリスク
- 為替変動リスク
- 流動性リスク
レバレッジリスク
外貨(FX)はレバレッジが効くため、少額の資金で大きく取引ができます。しかし為替が逆に動けば、大きな損失を生む可能性があるということでもあります。預けた証拠金を超えた額を支払わなければならないリスクがあります。
為替変動リスク
外貨(FX)は為替の変動で利益を出そうとする投資手法ですが、為替相場は投資家の判断や意思決定が追いつかないぐらいの短期間・短時間で激しく動くことがあり、対応が間に合わず大きな損失を出す危険性があります。
流動性リスク
一般的に、外国為替市場は流動性のある市場です。しかし、新興国の外貨や各国の経済動向等によっては流動性が低くなる場合があります。そのため、「売りたい時に売れない」「買いたい時に買えない」などのリスクがあります。
外貨(FX)の投資と資産運用を始めるなら
これまで解説してきたように外貨(FX)はハイリスク・ハイリターンな投資手法です。そのため、レバレッジを効かせるにしてもいきなり25倍などの危険な取引をするのではなく、低倍率のレバレッジで取引を行いましょう。
また、外貨(FX)は予想と逆の方向に短時間で急激に値動きが起こる可能性がある投資です。そのため、外貨(FX)の注文を入れる時には同時に損切りの注文(逆指値とも言い、予想と反対方向に相場が動いた場合に注文と逆の注文を出して決済する)も入れておくべきでしょう。
外貨(FX)についてもっと詳しく知りたいという方は、外為オンラインで詳しく解説しています。そちらもお読みください。
外為オンライン はじめての方へ
また、これからFXの口座開設をするなら、https://fx.dmm.com/がおすすめです。
まとめ
今回は個人でも行える投資や資産運用として「株・投資信託・債券・外貨(FX)のメリットとデメリット・リスク」について解説しています。
- 株の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
- 投資信託の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
- 債券の投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
- 外貨(FX)投資と資産運用のメリットとデメリット・リスク
低金利で給料が上がっていくことが期待できない現在では、投資や資産運用でお金を増やすことが必要になります。きちんと知識をつけた上で自分にあった投資手法で資産運用しましょう。
投資や資産運用に関心のある全ての人に有用な記事になれば幸いです。