作成日:2016年1月4日 更新日:2018年7月26日
振込詐欺・オレオレ詐欺は高齢者の問題と思っていると危険です!詐欺の一種である「投資詐欺」については、実は被害者の多くが若い世代なのです。巧妙な投資詐欺の手口と方法には、どんな人でも騙されてもおかしくないのです。
そこで今回は「投資詐欺の被害を未然に防止!知っておくべき方法手口まとめ」と題して、投資詐欺によく使われる手口と方法についてまとめました。
今回の記事をよく読んで頂き、投資詐欺によく使われる手口や方法を予め知っておくことで、投資詐欺の被害を未然に防ぐことができます。
投資に関心のある方に役立つ記事になっています。ぜひお読みください。
投資詐欺にあわないために!投資詐欺を未然に防ぐ
投資詐欺に騙されないためにはどうしたらいいのでしょうか。投資@みんなの教科書では、以下の3点が投資詐欺を未然に防ぐために重要だと考えています。
- 過去の投資詐欺に使われた方法を知ること
- 投資詐欺によく使われる手口を知ること
- 誰もが投資詐欺に騙されておかしくないと心構えを持つこと
過去の投資詐欺に使われた方法を知ること
投資詐欺に使われる投資商品は年々増えていき、投資詐欺の方法は年々複雑になっていきます。だからといって「投資詐欺には気をつけようがない」と諦めてしまっては投資詐欺師のおもうがままです。
過去に投資詐欺に使われた方法や投資商品を知ることで、新しい方法や投資商品を使った投資詐欺の話を聞いた時に「何か以前に起きた投資詐欺の方法に似ているな」「昔の投資詐欺の方法から投資商品を変えただけだな」などと注意することができます。
投資詐欺によく使われる手口を知ること
投資詐欺に使われる方法や投資商品は多岐にわたっています。しかし、実際にはその手口は驚くほど似ていることが多いのです。
投資詐欺によく使われる手口を知ることで、「この投資話はちょっとおかしいな」「この言葉が出るようなら気をつけなければいけない」などと注意することができます。
誰もが投資詐欺に騙されておかしくないと心構えを持つこと
「オレは投資詐欺にはだまされない」「バカな投資詐欺に騙されるやつが悪いんだ」というような考えが危険なのです。前述のように、投資詐欺にひっかかる人の多くが若い世代なのです。
誰もが騙されてもおかしくないからこそ「うまい話ほど気をつける」「世の中そんなうまい話はない」という心構えを持つことが重要です。
投資商品の数だけ投資詐欺がある!投資詐欺によく使われる方法
投資商品が新たに開発されるたびに、それを使った投資詐欺をやって儲けてやろうと企む投資詐欺師がいます。つまり、世の中にある投資商品の数だけ投資詐欺があると思った方がいいのです。
これまでよく投資詐欺に使われてきた方法・投資商品は下のようなものがあります。
- 新しい事業分野への投資
- 企業の社債・未公開株への投資
- 海外における不動産・外国通貨・海外企業の株式への投資
新しい事業分野への投資
今までなかった新しい事業分野への投資を募る投資詐欺は大変多いです。例えば、以下のようなものです。
- 太陽光発電などの再生可能エネルギー
- シェールガスやメタンハイドレートなどの新しいエネルギー
- 水問題や食料問題を解決する技術
- 再生医療
- ロボット・AI・自動運転
ある程度ニュースになったり話題になったりしている、新しい事業分野への投資を募る投資詐欺話が多いです。最近で言うと、東北大震災の時にはエネルギー関連や放射能除去技術が、iPS細胞でのノーベル賞やSTAP細胞騒動の際は再生医療、現在はオリンピック関連や民泊(AIRBnB)がらみの投資詐欺が多いようです。
なぜこうした新しい事業分野への投資詐欺話が多いかというと、
- 最先端の分野のため一般人にとっては実現可能性などを判断するのが難しい
- 一方でニュースになるなど話題性があり、成長性や新規性を一般人でも感じやすい
- 新しい技術や特許のため詳細は秘密と投資詐欺師がごまかしやすい
この辺が投資詐欺師が投資詐欺に使いやすい訳です。
国内企業の社債・未公開株への投資
国内企業への社債や未公開株への投資も、よく投資詐欺に使われます。
社債
社債とは企業が資金調達する際に発行する債権のことを言います。企業が社債を発行するということは、投資を募る訳ではなく融資を受けることになります。投資家側からすると会社にお金を貸していることになるため、株式に投資するよりもリスクが少なくなります。
そのため投資詐欺に社債が利用される場合は「投資リスクが少なく高利回り」などといった投資詐欺話を持ちかけられることになります。
未公開株
未公開株とは証券取引所に上場していない企業の株式です。上場前に何らかの方法で株が手に入りその後当該企業が上場すれば、投資金額が何十倍・何百倍になることもあります。
そのため投資詐欺の場合は、「近い将来に公開(株式上場・IPO)を予定しているため上場すれば何倍にも株価が上がり儲かる」などといった投資詐欺話を持ちかけられることになります。
なぜこうした社債や未公開株への投資詐欺話が多いかというと、
- 社債や未公開株は通常一般には流通しないため「ここだけの話」と投資詐欺師が持ちかけやすい
- 「当該企業に問い合わせても機密事項なので教えられない」として、確認させないようにさせやすい
- 投資家が話に乗りやすい高い利回りが信じられやすい
この辺が投資詐欺師が投資詐欺に使いやすい訳です。
海外における不動産・外国通貨・海外企業の株式への投資
海外における不動産・外国通貨・海外企業の株式への投資も、よく投資詐欺に使われます。アフリカや中東などあまり日本で知られていない、途上国や新興国における不動産・外国通貨・海外企業の株式への投資を募るのです。
そもそも存在しない不動産や企業の株式である場合もありますし、通貨の場合は相場の何倍もの価格で売りつけられる場合があります。
なぜこうした海外における不動産・外国通貨・海外企業の株式への投資詐欺話が多いかというと、
- 投資家が調べようとしても海外のためなかなか調べられない
- 「海外だから情報が錯綜している」「調べるのに時間がかかる」と言い訳しやすい
- 投資家が話に乗りやすい高い利回りが信じられやすい
この辺が投資詐欺師が投資詐欺に使いやすい訳です。
投資詐欺によく使われる手口を頭に入れておこう!ボンジ・スキーム
これまで解説してきたように、過去から現在まで投資詐欺に使われる商材や投資手段は数多くあります。未公開株・海外での運用・共済・FX・新規事業・・・珍しいものではエビやカニの養殖などもあります。
商材や投資手段は数多くあっても、実はほとんどの投資詐欺はボンジ・スキームと呼ばれる詐欺の手口が使われています。投資詐欺師に騙されないためにも、まずはこのボンジ・スキームと呼ばれる詐欺の手口を知っておきましょう。
ポンジ・スキームって何?
ボンジ・スキームはウィキペディアは次のようになっています。
ポンジ・スキームとは、詐欺の一種で、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、謳っていることとは異なって実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(やはり運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うもののこと。
つまり、初めから破綻することを前提に、「出資者から得た資金を配当に回す自転車操業的なシステム」を使った投資のことで、日本では出資金詐欺と呼ばれる投資詐欺の手法です。
このポンジ・スキーム、チャールズ・ポンジという20世紀初頭にアメリカを中心に投資詐欺を行った実際の人物の手口から取られています(上にある画像がチャールズ・ポンジです)。
ポンジ・スキームの仕組み
このポンジ・スキームの仕組みを数字を使って解説します。
例えば1口1000万円で月に10%もの高利回りの投資詐欺話があったとします。毎月新たな10人が1口ずつこの架空の投資話に引っかかっていくとします。
1月目
- 投資詐欺師が架空の投資のため投資家から月に集めるお金・・・1000万円10人1口=1億円
- 投資詐欺師が架空の配当のために投資家に月に支払うお金・・・100万円10人1口=1000万円
1億円集めて1000万円支払う訳なので、投資詐欺師のもとには9000万円残ります。
2月目
- 投資詐欺師が架空の投資のため投資家から月に集めるお金・・・1000万円10人1口=1億円
- 投資詐欺師が架空の配当のために投資家に月に支払うお金・・・100万円20人1口=2000万円
1億円集めて2000万円支払う訳なので、投資詐欺師のもとには8000万円残ります。
3月目以降
これを繰り返していくと次のようになります。
10ヶ月目で月々の投資詐欺師の儲けがなくなりますが、その時点で投資詐欺師の手元には4億5千万円残ることになります。
要は、実際に運用しなくてもさも運用したかのように配当を出し続ければ、投資家は文句を言いません。ただ運用していないわけですから、いつかはお金を集めるスピードと配当を出すスピードが逆転して破綻します。投資詐欺師は破綻する前に配当を減らしたり止めたりして残ったお金を持ち逃げする訳ですね。
これは単純な数字にしてみましたので10ヶ月で月々の投資詐欺師の儲けがなくなりました。しかし、実際の投資詐欺はネズミ講などに似た仕組みを使って、どんどん投資家が紹介され増えていきますので、加速度的に集まる金額が増えていき破綻までの期間が長くなっていきます。
ポンジ・スキームの5つの手口の特徴
ポンジ・スキームの手口には5つの特徴があります。
- 通常の投資ではありえない高い利周り
- 小さい最低投資額
- 毎月定期的に配当する
- 紹介者にメリットがある仕組み
- 「元本保証」「急ぐ必要」「ここだけの話」といったキーワード
①通常の投資ではありえない高い利回り
ポンジ・スキームでは将来破綻することを前提としますが、投資家を信用させるために配当を当初は払います。そのため、先の計算でも分かるように加速度的に投資家を集める必要があります。投資家や一般的な利回りではなかなか集められないため、通常の投資ではありえない高い利回り(年30%以上・月3%以上程度)が提示されます。
②小さい最低投資額
ポンジ・スキームの場合、投資家を信用させるためにはじめは実際に配当(実際は運用していない)を支払います。初めは半信半疑であってもきちんと配当が支払われていくうちに信じていくので、始めの投資のハードルをなるべく下げるために最低投資額を小さくする傾向があります。
③毎月定期的に配当する
1年に1回の配当では時間がかかりすぎて、投資をためらったり心配になったりする投資家が多いので、毎月定期的に配当するのがポンジ・スキームの手口です。毎月きちんと配当することで投資家が信じやすくなり追加投資に応じやすくなったり、後述の新しい投資家を紹介しやすくなったりします。
④紹介者にメリットのある仕組み
前述のようにポンジ・スキームでは将来破綻することが明らかなので、投資詐欺師はできるだけ破綻するまでの時間を伸ばすために、加速度的に投資家を集めていく必要があります。投資詐欺師は自分だけで投資家を集めることには限界があるため、ネズミ講のような仕組みを使ったり、紹介者に多額の報酬を支払ったりするなどの仕組みを作ることが多いです。
また、投資家も信頼できる人からの紹介だと、投資に対するハードルが低くなりやすくなります。
⑤「元本保証」「急ぐ必要」「ここだけの話」などのキーワード
ポンジ・スキームでは、投資家を安心させたり投資心理を煽ったりするために、「元本保証」「急ぐ必要」「ここだけの話」などのキーワードを使います。そもそも投資で「元本保証」「損しない」というキーワードが出たら、まず投資詐欺と思って間違いないでしょう。また、きちんと投資契約書で契約しないのもポンジ・スキームの手口の特徴です。
誰もが投資詐欺に騙されておかしくないと心構えを持つこと
これまで投資詐欺師の方法や手口について解説してきました。投資詐欺にだまされないために、もっとも重要といってもおかしくないことが、心構えです。
自分も騙される可能性がある
まず、自分も騙される可能性があるということを肝に銘じましょう。「オレは投資詐欺にはだまされない」「バカな投資詐欺に騙されるやつが悪いんだ」というような考えが危険です。前述のように、投資詐欺にひっかかる人の多くが、高齢者に比べて騙されにくいはずの若い世代なのです。
とにかく知人や友人に相談してみる
投資詐欺師はさももっともらしくウソをつきます。初めは半信半疑で聞いていても、どうしても投資詐欺師の思うツボにはまっていって、本当だと思い込んだり儲かると信じてしまうことがあります。知人や友人に相談してみて、客観的な意見をもらいましょう。
世の中そんなうまい話はない
なぜ目の前の人が自分だけ儲ければいいのに、赤の他人の自分に「ここだけの話」と儲け話を持ってくるのでしょうか?あなたがそんな儲ける仕組みを思い立ったら、赤の他人にその儲けを分けるでしょうか。逆に考えればそうした投資話のおかしさが分かるはずです。そもそも、世の中にそんなうまい話はないのです。
裏を取れない話は信用しない
鉄則を守り、まずは裏を取りましょう。正規の業者か確認したり、投資案件の企業や組織に直接連絡を取ったりします。逆に、何らかの理由で裏が取れないなら(直接連絡が禁止されている、海外で確認できないなど)投資しない、という気持ちを持つことが重要です。
それでも詐欺にあってしまったら!1人で悩まずすぐに行動しよう
投資案件を持ってきた人の言動に少しでもおかしな点や怪しいところがあれば、すぐに消費生活センターや公的相談窓口に連絡しましょう。
金融庁 金融サービス利用者相談室
金融庁の金融サービス利用者相談室では、電話・FAX・インターネット・郵便で相談ができます。
電話での受付
受付時間: 平日10時00分~17時00分
電話番号: 0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)
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金融庁 金融サービス利用者相談室
国民生活センターホームページ 全国の消費生活センター
全国の消費生活センター等では、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受付け、公正な立場で処理にあたっています。地格の消費生活センターは下のURLから探せます。
国民生活センターホームページ全国の消費生活センター等 http://www.kokusen.go.jp/map/
実際に投資詐欺の被害にあったら
投資詐欺の被害にあったらまずは警察に相談しましょう。その上で刑事としては検察に告訴、民事としては弁護士を使って損害賠償・慰謝料請求をすることになります。
まとめ
今回は「投資詐欺の被害を未然に防止!知っておくべき方法手口まとめ」と題して、投資詐欺師に騙されないために知っておくべき方法と手口をまとめました。投資詐欺によく使われる方法や手口を予め知っておくことで、投資詐欺の被害を未然に防ぐことができます。
こうしている間にも、沢山の投資詐欺師があの手この手であなたを騙そうとしているのです。投資詐欺師の方法と手口をよく理解し、くれぐれも投資詐欺話にひっかからないようにして下さい。
投資に関心のある全ての方に有用な記事になれば幸いです。