今あなたがスタートアップを起業するべきでない16の理由とタイミング

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今起業するべきか、するべきでないか-起業するべきでない理由やタイミングにはどんなものがあるのでしょうか?

Funders and Foundersに「Why to Not Not Start a Startup」(なぜスタートアップを始めてはいけないか)という記事がありましたので日本語に訳してみました。

 

Funders and Founders「Why to Not Not Start a Startup」

Funders and Foundersというサイトがあります。起業やスタートアップ、資金調達や投資、成功や失敗に関する情報をインフォグラフィックスでビジュアルにわかりやすく表現しています。

その中に「Why to Not Not Start a Startup」(なぜスタートアップを始めてはいけないか)という記事があり、起業してはいけない16の理由やタイミングをまとめていましたので日本語に訳してご紹介します。

ちなみに、オリジナルは起業家・投資家のPaul Graham(ポール・グレアム)の2007年のエッセイ「Why to Not Not Start a Startup」(なぜスタートアップを始めてはいけないか)です。もう10年近く前のエッセイですが、今も使えそうな教訓がまとめられています。

また、ポール・グレアムの2006年のエッセイ「The 18 Mistakes That kill Startups」(スタートアップを殺す18の理由)については別記事にまとめています。合わせてお読みください。

みんなの教科書記事 起業したスタートアップやベンチャーが失敗する18の原因
みんなの教科書記事 起業して成功するために起業家が知っておくべき23の投資家の考え方

なお、ポール・グレアム(Wikipediaのページ)は起業家・投資家でベンチャーキャピタル「Y Combinator」の創業者としても有名な人物です。エッセイをまとめたものは「ハッカーと画家」として出版もされています。

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スタートアップを起業しない方がいい16の理由とタイミング

下の文章はFunders and Founders「Why to Not Not Start a Startup」を日本語訳したものです。

1.若すぎる

起業家の中央値は27歳だ。若すぎるって言うのは生物学的な年齢じゃなく成熟さについてだよ。自分より年上の従業員と同じように話せるか?投資家や共同創業者に「くだらないアイデアだ」と言われたらあなたは同意する、それとも反発する?子どもならどちらかをするだろうが、大人だったら「なぜ?」と質問するものさ。

Too Young.
The median age of startup founders is 27. Being too young is not about biological age. It’s about maturity. Would you feel like an equal talking to your employees who might be older than you? What if your investor or your co-founder said “your idea is stupid”. Would you agree or would you rebel? A kid would do either of these things. An adult would ask why.

2.経験がなさ過ぎる

経験を積むためには、誰か他の人の為に働くか自分の為に働くかの2つの方法しかない。ただし、誰か他の人の為に働く経験はスタートアップには必要ない。だから逆説的だけど、経験を積むための良い方法はスタートアップを始めることなのさ。

Too Inexperienced.
The only 2 ways to get experience is to work for someone else or to work for yourself. Working for someone else gives you the experience of working for someone else. That’s not what you need in a startup. So the best way to get experience in startups is to start one.

3.決意が足りない

スタートアップを起業するという決意に数学は必要ない。数学が得意になるためにはルールを覚えて使いこなす必要があるけど、スタートアップにはルールなんてないから。ルールを自分で作りうまく動かす決意さえあれば数学はできるようになるものさ。

Not determined enough.
You can’t get good at math through determination. To be good at math you need to learn the rules and then manipulate those rules. In startups there are no rules. So the determination to make up the rules and make them work can get you as far in startups, as your talent can get you in math.

4.頭が良くない

頭が良い必要はあるが、自分があまり頭が良くないことを心配できるぐらいなら、多分あなたは頭がいいから大丈夫。

Not smart enough.
If you are smart enough to worry that you are not smart enough, you probably are.

5.そのビジネスをよく知らない

ビジネスについて良く知ってるって言うのは何を意味してるのだろうか。スタートアップの定義は新しいビジネスモデルで新しいビジネスをすることだから、だれもそのビジネスについて知らないんだ。だから知らなくてもOKって事はなくて、ビジネスの種を見つける初めての人になる準備は必要なんだ。

Newbie in business.
What does it really mean when people say they know a lot about business? What business? Since startups by definition are new businesses with new business models, no one really knows about these businesses. So it’s OK if you don’t know, but be prepared to be the first one to find out.

6.共同創業者がいない

スタートアップは、人生に似てストレスがたまり過酷で疲れるものなんだ。多くの人は人生をパートナーと過ごすよね。だったらなぜ自分だけでスタートアップを始めようとするのかな?パートナーがいれば1人では耐えられないこともなんとかなるものさ。

No co-founder.
Startups are stressful, demanding, and all-consuming. Sounds a lot like life. Most people go through life with partners. So why would you want to go through a startup by yourself? There is a good chance it will be too much to bare for one person.

7.アイデアがない

幸いなことにアイデアはタダだ。多くのスタートアップはアイデアを途中で変えるんだけど、とにかく、もしあなたがたいしたことのないアイデアで起業しても途中でよいアイデアに変えることができれば、それは他のスタートアップみたいになれるってことなのさ。

No idea.
Luckily ideas are free. And many startups change their idea midway anyway, so if you start with a not-so-good idea, and then turn it into a good one, you’ll be like most startups.

8.スタートアップの余地がない

スタートアップは多過ぎるって言う人がいる。それは、世界の問題を解決しようとしている人達が多過ぎるって言ってるのと似ているね。スタートアップを始めようとする人達と同じぐらい、世界には解決すべき大なり小なり沢山の問題があるのさ。

No room for startups.
Some gawkers comment that there are too many startups. That’s like saying that too many people are trying to solve world’s problems. There are enough problems in the world, big and small, for as many people as are willing to start a startup.

9.家族を支えなくてはならない

ほとんどのスタートアップが、始めてしばらくの間は収益を上げられない。家族を支えなくてはならない人達にとって、収入がない生活を送るのは無理だろう。だけど、コンサルティングとか先払いの製品を作るとか、すぐに収入を得る方法はあるものさ。

Family to support.
Most startups do not generate revenue for the first while. Revenue-free lifestyle may not be possible for people with families to support. There is always another way though. Consulting or building a paid product can give almost immediate income.

10.お金持ち

お金持ちになる事を嫌がる人はほとんどいないけど、スタートアップを始めようという意欲にはマイナスだ。お金持ちにとって、そんなにお金持ちでない人達と働くことはまだエキサイティングではあるけどね。

Independently wealthy.
Although few people have the problem of being so rich that it would discourage them from starting a startup, some are. For those people it’s still more exciting to work with people who may not be so rich.

11.全力を出せない

スタートアップを始めると自由がなくなるから、他の何よりも起業することに価値を感じられないならスタートアップを始めるべきじゃない。スタートアップを始めることは、他のよい仕事をしないということも意味するからね。ただし、もしあなたのスタートアップが成功すれば、何百万人もの人々に商品を提供することのような、他では手に入れることのできない新しい種類の自由を手に入れることができるんだ。

Afraid of commitment.
Startup will take away your freedom. So if you value it more than anything, don’t do a startup. But that means you should not get a job either. If your startup succeeds, though, you may discover a new kind of freedom that is otherwise unavailable, like freedom to deliver products to millions of people.

12.指示が必要

ある種の人達は組織や階層がある仕事をより好むらしい。その意味は、自分が何をすべきか伝えて欲しいってことだろう。もしあなたがその種の人なら、スタートアップを始めないほうがいい。どこか他の場所で組織や階層がある仕事を探したほうがいいだろう。スタートアップは「あなたは何をすべきか」なんて言われないから。

Need for structure.
Some people say that they prefer a job because it gives them structure. It’s a nice euphemism. But really it means that they need someone else to tell them what to do. If that is you, don’t do a startup. Even many prestigious jobs don’t want to tell you what to do, though. So it may be better to look for structure elsewhere.

13.不確実性を恐れる

スタートアップにはそんなに不確実な事はない-ほとんどが失敗するから。ただ、ほんの少しは生き残る。なんとか最悪の条件に備えて、最高の結果を望むのさ。

Fear of uncertainty.
There is not much uncertainty in startups – most of them fail. But a few don’t. So prepare for the worst, and hope for the best.

14.他の選択肢がない

もしあなたがこれまで仕事に就いたことがあるなら、他の選択肢がないことがどんなに危険か分かるだろう。

Blind to the alternative.
If you ever had a job, you know how damaging those are.

15.両親が医者になることを願っている

親というものは子どもを危険から守ろうとして、同時に素晴らしいものを得る機会も無くしてしまうものだ。

Parents want a doctor.
Parents protect you from risks, which also protects you from rewards.

16.職に就くことが当然という考え

外で仕事に就くということはたった100年ぐらいの伝統なんだ。古くは農業で生活を営むことがあたりまえだったんだから。

A job is the default.
Getting a job is a tradition that is only 100 years old. Before that the default was farming.

まとめ

今回の記事ではスタートアップを起業しない方がいい16の理由とタイミングをまとめています。

  1. 若すぎる
  2. 経験がなさ過ぎる
  3. 決意が足りない
  4. 頭が良くない
  5. そのビジネスをよく知らない
  6. 共同創業者がいない
  7. アイデアがない
  8. スタートアップの余地がない
  9. 家族を支えなくてはならない
  10. お金持ち
  11. 全力を出せない
  12. 指示が必要
  13. 不確実性を恐れる
  14. 他の選択肢がない
  15. 両親が医者になることを願っている
  16. 職に就くとことが当然という考え

オリジナルは起業家・投資家のPaul Graham(ポール・グレアム)の2007年のエッセイです。どれかに当てはまっていても成功した起業家は沢山いるとは思いますが、これから起業家になろうとする人への教訓として活かせそうなものばかりです。

起業に関心のある全ての人に有用な記事になれば幸いです。

 


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