個人再生とは:手続きの流れ・費用や条件・メリットデメリットまとめ

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作成日:2016年1月27日 更新日:2018年11月22日

借金問題に悩んでいる方は、債務整理・借金整理を行う必要があります。今回の記事では、債務整理・借金整理の方法の1つ「個人再生(民事再生)」について解説しています。個人再生の手続きの流れや期間・費用や条件・メリットやデメリットについて詳しく解説しています。借金問題に悩む方はぜひお読み下さい。

 

債務整理・借金整理の種類と方法

債務整理・借金整理には大きく以下の5つの方法があります。

■ 借金を整理する方法(リンク先は詳しい解説記事です)

  1. 任意整理による債務整理・借金整理
  2. 特定調停による債務整理・借金整理
  3. 個人(民事)再生による債務整理・借金整理
  4. 自己破産による債務整理・借金整理
  5. 過払金の清算による債務整理・借金整理

今回の記事では、3個人(民事)再生を解説します。

状況によってどの方法を選ぶべきかについては、別記事「債務整理借金整理の基礎知識:方法・流れ・費用・メリットデメリット」をお読み下さい。

まずはここから理解しよう!個人再生(民事再生)とは?

個人再生は民事再生法にもとづき進められる民事再生手続きの1つで、債務者が破産してしまう前の再起・再建を可能にする方法です。地方裁判所の認可により減額された一定額の債務を弁済し、例えば住宅ローンがあっても住む場所を失わずに再起・再生を促す方法です。

債務整理・借金整理のいくつかの方法の中で、根本的に借金問題を解決する方法は自己破産です。しかし、生活の拠点である自宅を手放したくないとか、借金返済が困難だが支払不能ではない場合などは破産手続きができませんでした。

そのため、比較的少額の債務や住宅ローンを抱えた債務者の実情を考慮して、より簡素で使いやすい制度が個人再生(個人向けの民事再生手続き)なのです。

具体的には以下の手続きを経て行われます。

  • 債務の一部を支払って残りは免除とする
  • 残った債務は再生計画に従い、収入の範囲内で返済する(原則として3年以内)
  • 事業や住宅などの資産を債務者に残し再生する

うまく利用すれば自宅を失わず借金を大幅に減らせるため、よく使われる債務整理・借金整理の方法です。

民事再生法は、中小企業などに利用しやすい再建型の倒産処理手続きを定めた法律として制定されましたこともあり、「民事再生」という方法自体は、会社などの法人でも個人でもどちらでも利用できる、債務整理・借金整理の方法です。

今回の記事では、個人再生(個人向けの民事再生手続き)について解説していきます。

個人再生(民事再生)手続きの流れを頭にいれよう!

個人再生

個人再生は上の図のような流れで進んでいきます。

個人再生(民事再生)の手続きの特徴

個人再生は、手続きや流れがシンプルで早いものになっており、大きく3つの特徴があります。

債権者の負担が小さい

個人再生手続きは、法人を対象とした通常の民事再生手続きより債権者の関与が少なく、債務者主導で手続きを進めていきます。例えば通常の民事再生手続では、債権者が再生計画案に同意する意思表示をする必要がありますが、個人再生手続では、手続に異議のない債権者の意思表示は必要ありません。

また、債務者主導の進行を実現するため、手続きが利用できる人に条件をつけたり制限を加えたりしています。

手続きが簡単で短期間で終了する

個人再生手続きは、通常の民事再生手続きとくらべてさらに手順が簡素化されています。例えば、通常の民事再生手続きは債権者集会を開く必要がありますが、個人再生では必要がなくなっています。

予納金が安く済む

通常の民事再生では監督委員が必要になるため、その費用として200万円程度の予納金を裁判所に納める必要があります。しかし個人再生では、申立人が中心となり手続を進行させていくため、その分予納金が安く済みます。

ただし、個人再生でも、再生委員(裁判所の補助をする者)が選任された場合は、10万円~20万円程度の予納金は必要になります。

状況によって変わる!個人再生(民事再生)の種類と条件

個人再生には大きく分けて以下の3つの手続きの種類があります。

  1. 小規模個人再生
    自営業者で継続・反復した収入のある債務者や給与所得者を対象としています。
  2. 給与所得者等再生
    サラリーマンで定期的に安定的な収入が見込める債務者を対象としています。
  3. 住宅ローン(住宅資金貸付債権)に関する特則
    個人再生手続でこの特則の適用を受けることができれば、住宅ローンを抱えた人が自宅を失わずに再生・再起できます。

それぞれについて詳しく解説していきます。

小規模個人再生

小規模個人再生の手続きを利用するには、以下のような条件があります。

  • 継続的または反復的に収入を得る見込みがある個人(自営業者など)
  • 債務総額(住宅ローンなどを除く)が5000万円を超えない
    ※例えば借金総額が8000万円でも4000万円に抵当権が設定されている場合は対象になる

なお、小規模個人再生では再生計画の決定に債権者の書面決議が必要であり、原則として3年間(特別な事情があれば5年間)で弁済することになります。

給与所得者等再生

給与所得者等再生の手続きを利用するには、以下のような条件があります。

  • 給与などの定期的で変動が少ない収入を得る見込みがある個人(サラリーマンなど)
  • 債務総額(住宅ローンなどを除く)が5000万円を超えない
    ※例えば借金総額が8000万円でも4000万円に抵当権が設定されている場合は対象になる

なお、給与所得者等再生では再生計画案提出前の2年間の可処分所得額を3年間で弁済することになります。
※可処分所得とは、収入額から法律で定められた生活維持費の額を引いたもの。貯蓄や遊興費などに回せる余裕のことです。

小規模個人再生と給与所得者等再生の同じ点と違う点をまとめると下の表のようになります。

項目 小規模個人再生 給与所得者等再生
対象 個人
債務総額 5000万円以下(住宅ローンなどを除く)
再生計画の決定と債権者決議 債権者の書面決議が必要 債権者の決議は不要
弁済期間 原則3年間(特別な事情があれば5年間) 再生計画作成前2年間の可処分所得を3年間で弁済

サラリーマンなどの会社員でも給与所得者等再生を利用しなければならないわけではなく、年収が高い場合は小規模個人再生を利用する方が得になることもあります。給与所得者等再生では、再生計画案を提出する2年分の可処分所得が弁済額になるからです。

また、最低弁済額には「清算価値保障の原則」があり、債務額から計算した最低弁済額以上の財産がある場合はその財産の価額が最低弁済額になります。

住宅ローン(住宅資金貸付債権)に関する特則

住宅ローン(住宅資金貸付再建)に関する特則とは、住宅ローンを組んで持ち家を購入した債務者が借金全体(住宅ローンのみでも可)の返済が困難になった場合に対象になります。

条件を変えずに住宅ローンを返済するか、スケジュールを変更して返済を継続すれば、住宅を失わずに済みます。

自己破産すると持ち家などの財産を失うことになりますが、個人再生の手続きでは家を失わずに債務整理・借金整理をすることも可能になります。

個人再生(民事再生)の費用・メリットデメリットは何?

ここでは、個人再生の費用・メリットとデメリットについて解説します。

個人再生の費用

個人再生の手続きは専門的で複雑なため、通常は弁護士などの専門家に依頼する必要があります。費用は法律事務所によって異なりますが、一般的には数十万円~(50万円程度)が相場です。

なお、住宅ローン(住宅資金貸付債権)に関する特則の適用を受ける場合は金額が少し上がる場合もあります。

個人再生のメリットとデメリット

個人再生のメリットとデメリットをまとめました。

個人再生のメリット

個人再生のメリットは以下のような点です。

  • 法人を対象とした民事再生手続きに比べ簡素でスピードが早い
  • 予納金が低く抑えられている
  • 債権者の負担が減り債務者主導で進めることができる
  • 債務者は住宅を失わずに済みそのまま生活を続けることができる可能性がある
    破産手続きと違い住宅ローンが残っていても住宅を失わずに済む可能性があります。

個人再生のデメリット

個人再生のデメリットは以下のような点です。

  • 通常は弁護士などの専門家に依頼する必要があり費用がかかる
  • 借金が免責される訳ではなく再生計画の債務の返済は残る
  • 再生計画等が認可されない場合がある(小規模個人再生)
    再生計画等に同意しない旨を回答した債権者が総数の半数に満たず、かつ、同意しない債権者の債権額の合計が総合計の1/2を超えない時に可決されます。
  • 原則として新たな借入ができなくなる(5年程度)
    個人再生の後5年から7年、住宅ローンや自動車ローンを含む新たな借入や、クレジットカードの発行ができなくなる可能性があります。信用情報の「ブラックリスト」に載ってしまうためです。

債務整理・借金整理に強い法律事務所

個人再生は、弁護士などの専門家に頼む方が良いです。ここでは債務整理・借金整理に強い法律事務所をご紹介します。

弁護士法人あまた法律事務所

弁護士法人あまた法律事務所は、豊川祐行弁護士を中心に借金問題に精通した弁護士3名が営む法律事務所です。債務整理・借金整理に強いと言われている法律事務所はいくつかありほとんどは1人でやっている個人事務所ですが、弁護士法人あまた法律事務所は3名体制でやられているだけあって手厚いサポートが期待できます

弁護士法人あまた法律事務所は多重債務に悩む人にやさしい以下のような特徴があります。

  • 何回でも相談料無料・費用の分割も可能
    電話やメールでの相談料は無料です。また、費用の分割払いも可能ですので、安心して相談できます。
  • 卓越したノウハウと専門知識と豊富な実績
    代表弁護士の債務整理実績は5000件以上!あまた法律事務所では借金問題を日々扱い、
    多くの相談者様の相談を受け付けている問題解決の「プロフェッショナル」です
  • 24時間365日WEBで受付可能
    ホームページからメールで24時間365日受付が可能、昼間や平日に時間が取れなかったり電話ができなかったりする人も利用できます。また、電話も毎日9:00〜21:00まで受け付けています。

借金問題解決のプロで経験と実績豊富な弁護士が対応してくれるため安心です。

相談は下のリンクから行えます。

≫あまた法律事務所に相談してみる

ヤミ金(闇金)から借りてしまっている分を何とかできないか?

ヤミ金(闇金)でお金を借りてしまって困っていたらたらすぐに弁護士・司法書士などの専門家に相談しましょう。ヤミ金の返済分さえなんとかなれば他の分を返済していけるとすれば、ヤミ金への返済を止めたり過払分を請求したりすることで借金問題が解決できる可能性があります。

ヤミ金への対応ならウイズユー司法書士事務所がおすすめです。数々のヤミ金融問題を解決してきた豊富な実績のある、奥野正智司法書士の事務所です。

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≫ウイズユー司法書士事務所に相談してみる

もちろん、闇金問題を取り扱っている弁護士事務所は、他にも多数存在しています。

他事務所をお探しの方は、下記のサイトも参考にしてみてください。

≫闇金対策を得意としている他の事務所はこちら

債務整理・借金整理の費用がないとき

どうしてもお金に困っていて、任意整理を専門家に依頼する費用が無い時は、日本司法支援センター(法テラス)に相談してみましょう。法テラスは、民事法律扶助といい、資力の乏しい人に対して訴訟費用や弁護士費用の立替を行う支援業務を行っています。

ただし資力が乏しいなど一定の基準があるため、詳細は確認が必要です。なお、法テラスは全国50箇所に事務所があります。日本司法支援センター(法テラス) http://www.houterasu.or.jp/

まとめ

今回の記事では、債務整理の方法の1つ「個人再生(民事再生)」について手続きの流れや期間・費用や条件・メリットやデメリットについて詳しく解説しています。

  • 個人再生とは
  • 個人再生の手続きの流れ
  • 個人再生の種類と条件
  • 個人再生の費用・メリット・デメリット
  • 個人再生などの借金問題に強い法律事務所

についてまとめています。

借金問題は債務整理・借金整理によって解決できます。1人で悩まずに弁護士などの専門家に相談し、早めに解決しましょう。

借金問題に悩む全ての人に有用な記事になれば幸いです。

 


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