起業したスタートアップやベンチャーが失敗する18の原因

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起業しても失敗するベンチャーやスタートアップは少なくありません。では、どんな理由や原因で失敗するのでしょうか?Funders and Founders「18 Startup Mistakes Everyone Should Know About」(すべての人が知っておくべきスタートアップが失敗する18の誤り)という記事で、分かりやすく解説していたので日本語に訳してみました。

 

Funders and Founders「18 Startup Mistakes Everyone Should Know About」

起業の失敗

By: Ludo

Funders and Foundersというサイトがあります。様々な起業やスタートアップ・資金調達や投資・その成功に関する情報を、データを用いてインフォグラフィックスと呼ばれるビジュアルでわかりやすく表現しています。

その中に「18 Startup Mistakes Everyone Should Know About」(すべての人が知っておくべきスタートアップが失敗する18の誤り)という記事があり、起業後したベンチャーやスタートアップが失敗する原因や理由を18に分類し分かりやすく解説していましたので日本語に訳してご紹介します。

ちなみに、オリジナルは起業家・投資家のPaul Graham(ポール・グレアム)の2006年のエッセイ「The 18 Mistakes That kill Startups」(スタートアップを殺す18の理由)です。もう10年も前のエッセイで、これまでも様々な本やサイトで引用されていますが、今も色褪せることなく教訓として活かせそうなものばかりです。

また、ポール・グレアムのと2007年のエッセイ「Why to Not Not Start a Startup」(なぜスタートアップを始めてはいけないか)と「The Hacker’s Guide to Investors」(投資家とうまくつきあう起業家向けガイド)については別記事にまとめています。合わせてお読みください。

みんなの教科書記事 今あなたがスタートアップを起業するべきでない16の理由とタイミング
みんなの教科書記事 起業して成功するために起業家が知っておくべき23の投資家の考え方

なお、ポール・グレアム(Wikipediaのページ)は起業家・投資家でベンチャーキャピタル「Y Combinator」の創業者としても有名な人物です。エッセイをまとめたものは「ハッカーと画家」として出版もされています。

起業したスタートアップやベンチャーが失敗する18の原因・理由

下の文章はFunders and Founders「18 Startup Mistakes Everyone Should Know About」を日本語訳したものです。

1.1人だけで始める

1人だけで始める-起業家1人のスタートアップはポール・グレアムから資金調達できる可能性は殆ど無い。なぜかって?成功したスタートアップは少なくとも2人で始めているからさ。それは偶然じゃない。

Single Founder – as a single founder you have almost zero chance of getting funding from Paul Graham. Why? It’s not a coincidence, he says, that founders who succeeded did so as a team of at least two.

2.場所が悪い

場所が悪い-家具や壁紙は自由に変えられるけど家がある場所は変えられない。それと同じように、悪い場所にあるスタートアップはそのデメリットを変えることができない。場所を変えたほうがはるかに簡単だ。どこにかって?そりゃシリコンバレーさ。

Bad Location – you can change everything about a house but its location. Likewise, if your startup is in a bad location, you can’t change the nature of that location. It’s easier to move the startup. Where to? Silicon Valley.

3.市場がニッチ過ぎる

市場がニッチ過ぎる-起業家が競争を恐れて何だか分からない小さな市場を狙うことは、自分で自分の首を絞めるようなものだ。起業家は競争を避ける事はできないのだから。

Marginal Niche – by choosing an obscure niche a startup may paint themselves in a corner. If you are afraid of competition, this is not the way to avoid it.

4.モノマネなアイデア

モノマネなアイデア-ペットオーナー向けツイッター(当時沢山存在していた)で競争できるのはごくわずかだろう。要は、明日のグーグルは今のグーグルとは似ても似つかないものだということなんだ。

Derivative Idea – there are only so many Twitters for pet owners one can come up with. The bottom line is that the Google of tomorrow will not be like Google.

5.頑固過ぎる

頑固過ぎる-あるいは何かに固執し状況に適応できないということは、スタートアップには致命的だ。生き残るスタートアップは、ユーザーの声に耳を傾け自社の考えにこだわり過ぎない。

Obstinacy – or inability to adapt kills startups who would have survived had they not been too stubborn to see what their users were telling them.

6.悪いプログラマー

悪いプログラマー-結局のところ、自分自身が良いプログラマーとなるか信頼できるプログラマーをチームに加えるしかないことが多い。優れたプログラマーはいつも不足している。だから良いプログラマーを雇う条件はとても高くなっている。

Hiring Bad Programmers – knowing a good programmer from a bad one often takes being a good one yourself, or having a trusted one on your team. Exceptional programmers are always in short supply. So the odds are stacked up against hiring good ones.

7.プラットフォームの選択ミス

プラットフォームの選択ミス-スケールする早さはスタートアップが成功するか失敗するかを決める。そして悪いプラットフォームのスケールしにくさはボトルネックになる。ユーザーはボトルネックを解決するまで待ってくれないのだ。

Choosing the Wrong Platform – how fast you can scale will determine whether your startup lives or dies once you get traction. On the wrong platform scalability will be the bottleneck. And users often don’t wait for you to figure it out.

8.ローンチが遅過ぎる

ローンチが遅すぎる-商品やサービスを実際にローンチするまで、スタートアップは存在すべきかさえ分からない状態にある。ローンチが遅ければ遅いほど、答えを得るのが遅くなる。もし答えを知ることが怖いなら、なぜそうかを自分自身に問いたくなるかもしれない。

Slowness in Launching – before you actually launch you are in the dark about whether your startup should even exist. The longer you delay the launch the more you delay getting the answer. If you are afraid to know what the answer is, you might want to ask yourself why.

9.ローンチが早過ぎる

ローンチが早過ぎる-ローンチが早過ぎると、成長をコントロールすることが準備出来ていなかったり、最悪は実際に利用できる商品やサービスを提供できなかったりするかもしれない。

Launching Too Early – launch too early, though, and you may be completely unprepared to handle your growth, or worse yet to present a usable product.

10.想定顧客が絞れていない

想定顧客が絞れていない-どこかで誰かがあなたの商品やサービスに関心を持つだろうが、まだそれが誰か知らないとしたら、それは顧客がいないことと変わらない。確認しよう。 

Having No Specific User in Mind – somewhere someone will for sure be interested in your product, you just don’t know who yet? Sounds like those people may not exist. Be sure to check.

11.調達資金が少な過ぎる

調達資金が少な過ぎる-起業家は自分が使うお金を調達する。少な過ぎる資金では十分にポテンシャルのある商品やサービスを実現できない。

Raising Too Little Money – you get what you spend on. With too little money you may not be able to flesh out your product in to its full potential.

12.資金を使い過ぎる

資金を使い過ぎる-十分に成長し次の資金調達ラウンドに到達する前に、資金を使い過ぎてキャッシュが尽きたら、それはスタートアップの終わりを告げる。

Spending Too Much – spending too much before you grew enough to have the numbers to raise the next round, and you are out of cash, which often spells the end.

13.調達資金が多過ぎる

調達資金が多過ぎる-多額の資金調達は起業家に、何か役だつ商品やサービスを実現する前にも関わらず大きな成功を成し遂げたように感じさせる。1日の終わりには投資家ではなく顧客に感謝したい。

Raising Too Much Money – raising too much will likely make you feel like a huge success even before you made anything useful. At the end of the day it’s users, not investors, you want to impress the most.

14.投資家をコントロールできない

投資家をコントロールできない-投資家を満足させることと顧客を満足させることのどちらかを選ぶなら、いつも顧客を選ぶべきだ。顧客が満足しているなら投資家は最後には儲けることができる。

Poor Investor Management – if the choice is between making investors happy or making your users happy, always choose the users. If the user is happy your investors will make money eventually.

15.顧客満足より利益を優先する

顧客満足より利益を優先する-お金は後でついてくる。これはしかし、顧客を後で満足させることには当てはまらない。起業家は顧客が今望んでいるものを実現する必要がある。

Sacrificing Users to (Supposed) Profit – you can always make money later. This however, cannot be said about making users happy. You need to make something they want now.

16.泥臭い仕事を嫌がる

泥臭い仕事を嫌がる-起業家はプログラミングだけでは問題を解決できない。ビジネスは人々との関係で作られるものだ。外に出て人に会おう。

Not Wanting to Get Your Hands Dirty – you can’t solve all your problems with coding. Businesses are built on relationships. Go out and meet those people.

17.創業メンバーでケンカ

創業メンバーでケンカ-創業メンバーが衝突するのはよくあること。創業メンバーが皆野心家であるということは、ほとんど同意できない。

Fights Between Founders – founder conflict is too common. Founders being ambitious people are almost bound to disagree.

18.努力不足

努力不足-決断力に欠けたスタートアップが終わりを迎えるのは珍しくない。もしスタートアップを立ち上げること以外のオプションが人生にあるなら、多分起業家は精神的にそれに頼ってしまう。

A Half-Hearted Effort – a lack of determination to see the startup through to the end is not rare. If you feel like you have other options in life than building your startup, you will probably mentally hang on to them.

まとめ

今回の記事ではベンチャーやスタートアップが起業後に失敗する18の原因や理由をまとめています。

  1. 1人だけで始める
  2. 場所が悪い
  3. 市場がニッチ過ぎる
  4. モノマネなアイデア
  5. 頑固過ぎる
  6. 悪いプログラマー
  7. プラットフォームの選択ミス
  8. ローンチが遅過ぎる
  9. ローンチが早過ぎる
  10. 想定顧客が絞れていない
  11. 調達資金が少な過ぎる
  12. 資金を使い過ぎる
  13. 調達資金が多過ぎる
  14. 投資家をコントロールできない
  15. 顧客満足より利益を優先する
  16. 泥臭い仕事を嫌がる
  17. 創業メンバーでケンカ
  18. 努力不足

オリジナルは起業家・投資家のPaul Graham(ポール・グレアム)の2006年のエッセイですが、10年も経った今も色褪せることなく、起業家やこれから起業家になろうとする人への教訓として活かせそうなものばかりです。

起業に関心のある全ての人に有用な記事になれば幸いです。

 


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